「オルカンの基準価額って何?どう見ればいいの?」「純資産総額が12兆円超ってどういう意味?」——積立を始めたばかりの方から、すでに運用中の方まで、こうした疑問を持つ方は少なくありません。

結論からお伝えします。基準価額は「ファンドの1口あたりの値段」であり、今の価格が高いか安いかを気にする必要はありません。長期積立において重要なのは、基準価額の「長期トレンド」と「純資産総額の成長」を正しく理解することです。

私(Yuzuriha)は2020年10月からオルカン一本で積立を続け、現在の総資産は約6,000万円になりました。2022年に基準価額が大きく下落した局面でも積立を止めず、むしろ「口数が増えている」と前向きに捉えてきました。その経験をもとに、基準価額・純資産総額の正しい見方を徹底解説します。

この記事でわかること:

  • 基準価額・純資産総額の定義と計算式
  • オルカンの2018年〜2026年の価格推移と主要イベント
  • 「基準価額が高い=割高」ではない理由
  • 基準価額を確認できる場所(公式サイト・証券会社アプリ)
  • 暴落時の正しい対処法とドルコスト平均法の威力
  • Yuzurihaが実践する基準価額との付き合い方

基準価額とは何か——わかりやすい定義と計算式

投資信託における基準価額とは、「ファンドが保有する資産の合計額を、発行済み口数で割った1口あたりの価格」のことです。通常は1万口あたりの価格で表示されます。

基準価額の計算式

計算式はシンプルです。

基準価額=(純資産総額)÷(総口数)×10,000

たとえば純資産総額が12兆円で、総口数が3,000億口であれば、基準価額は40,000円になります。オルカンが設定された2018年10月の基準価額は10,000円でしたが、2026年6月現在は40,000〜50,000円台にまで成長しています。

株式の「株価」との違い

株式の株価は需給によってリアルタイムに変動しますが、投資信託の基準価額は1日1回、市場の終値をもとに計算・更新されます。また、株価は企業の価値を反映しますが、基準価額はファンドが保有する世界中の株式・資産の総合的な価値を反映しています。

「基準価額が高い=割高」ではない理由

ここが非常に重要なポイントです。基準価額が40,000円になったとしても、それは「割高」ではありません。

なぜなら、基準価額はファンドが保有する資産(世界の株式)の価値をそのまま反映しているからです。基準価額が高いということは、それだけ世界の株式市場が成長した証拠にほかなりません。株式投資で「今の株価が高いから買えない」と躊躇する心理に似ていますが、長期積立においてはまったく意味のない心配です。

積立投資では毎月一定金額を購入し続けることで、価格が高いときは口数が少なく、価格が低いときは口数が多く購入できます。これがドルコスト平均法の仕組みです。

純資産総額とは何か・なぜ重要か

純資産総額とは、ファンドが運用している資産の合計額(時価総額)のことです。投資家から集めた資金が世界の株式に投資され、その時価評価額の総合計が純資産総額として毎日公表されます。

純資産総額が大きいメリット

純資産総額が大きいファンドには、投資家にとって具体的なメリットがあります。

  • 繰上償還リスクの低下:純資産総額が極端に少ないファンドは運用コストが賄えなくなり、強制終了(繰上償還)されるリスクがあります。12兆円超のオルカンにそのリスクはほぼゼロです。
  • 売買コストの低下:資産規模が大きいほど、株式の売買にかかるコストが分散されます。信託報酬が業界最低水準(年0.05775%)を維持できている背景の一つです。
  • 長期運用の安心感:資産規模が大きいほど、ファンドの継続性・安定性が高まります。

オルカンの純資産が12兆円超の意味

2026年6月時点でオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)の純資産総額は12兆円を超え、国内公募投資信託で最大規模となっています。これは、新NISAの導入(2024年〜)により積立投資を始める日本人が急増したことが主な要因です。

12兆円という数字は、日本のGDPの約1%に相当する規模です。これほどの資金が一つのインデックスファンドに集まっているという事実は、オルカンが日本の個人投資家にとって「デファクトスタンダード」になっていることを示しています。

オルカンの基準価額推移(2018〜2026年)

オルカンは2018年10月31日に設定されました。設定時の基準価額は10,000円。それから約8年で4倍以上に成長しています。以下のテーブルで主要な出来事と価格の動きを確認しましょう。

時期主な出来事基準価額(目安)純資産総額(目安)
2018年10月(設定時)ファンド誕生10,000円数億円
2020年2月(コロナ前)コロナ前の最高値更新約13,000円約500億円
2020年3月(コロナ底)コロナショックによる最大下落約9,500円(▲27%)縮小
2020年末コロナ後の急回復約15,000円約3,000億円
2021年末史上最高値を更新約19,000円約1兆円
2022年末世界的な金利上昇・株安約15,500円(▲18%)約2兆円
2023年末米国株を中心に急回復約22,000円約4兆円
2024年末新NISA効果で資金流入急増約33,000円約10兆円
2026年6月(現在)過去最高水準を維持約40,000〜50,000円台12兆円超

このテーブルを見ると、コロナショックで▲27%下落したにもかかわらず、その後わずか半年で設定来最高値を更新していることがわかります。2022年の下落も同様で、2023年には完全に回復・超過しています。

長期チャートで見れば、下落は「一時的なノイズ」にすぎず、トレンドは一貫して右肩上がりです。これが「長期・積立・分散」の投資哲学が有効である理由です。

純資産総額の成長推移(年別テーブル)

基準価額の成長と並行して、純資産総額も驚異的なペースで拡大しています。特に2024年の新NISA導入以降の成長は突出しています。

年末時点純資産総額(目安)主なトピック
2018年末数十億円設定直後・認知度低い
2019年末約200億円インデックス投資ブームの萌芽
2020年末約3,000億円コロナ禍で投資人口が急増
2021年末約1兆円節税・NISA活用が一般化
2022年末約2兆円積立継続者が下落を乗り越え
2023年末約4兆円新NISA開始への期待で資金流入
2024年末約10兆円新NISA元年・流入額が激増
2026年6月12兆円超国内最大の公募投信に

2018年末から2026年6月まで、純資産総額は数十億円から12兆円超へと約500倍以上に膨らんでいます。これは単に価格上昇だけでなく、毎月新たな資金が流入し続けていることを意味します。純資産総額の増加は「多くの投資家がオルカンを選び続けている」という信認の証でもあります。

基準価額はどこで確認できるか

オルカンの基準価額・純資産総額は複数の場所でリアルタイムに近い形で確認できます。

三菱UFJアセットマネジメント公式サイト

最も正確な情報は、運用会社である三菱UFJアセットマネジメントの公式サイトで確認できます。ファンド名(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))を検索すると、当日の基準価額・純資産総額・過去の推移チャートが表示されます。

SBI証券・楽天証券のアプリ・PC

SBI証券・楽天証券などの口座をお持ちの方は、各社のアプリやWebサイトから保有ファンドの基準価額を確認できます。保有口数・評価額・損益も同時に確認できるため、日常的な確認はこちらが便利です。

ただし、基準価額は1日1回の更新のため、株式のようにリアルタイムには変動しません。当日の基準価額は翌営業日に確定・反映されます(注文は当日受け付けますが、約定価格は翌日の基準価額になります)。

Yahoo!ファイナンス

証券口座をお持ちでない方や、口座に関係なく価格を確認したい場合は「Yahoo!ファイナンス」でファンド名を検索するのが手軽です。チャートも確認でき、長期トレンドの把握に役立ちます。

基準価額を確認する頻度はどのくらいがベスト?

毎日基準価額を確認するのはおすすめしません。日々の価格変動を追うことで、短期的な動きに感情が左右されやすくなり、「下がっているから積立を止めよう」「上がってきたから追加投資しよう」という非合理な判断をしやすくなります。

推奨する頻度は月に1〜2回程度です。積立が実行された後に「今月も無事に積立できた」と確認する程度で十分。長期チャートで「右肩上がりのトレンドが続いているか」を半年〜1年に1回確認する習慣が、精神的に安定した長期投資につながります。

基準価額を見るときの正しい視点

基準価額を確認する習慣は大切ですが、「今日の価格が高いか安いか」を気にするのは長期積立においてほぼ意味がありません。

「今の価格が高いか安いか」を気にしても意味がない理由

積立投資(ドルコスト平均法)では毎月一定金額を購入し続けます。基準価額が高いときは購入口数が少なくなり、低いときは多くなります。結果として、購入単価は平均化されます。

「今が高値圏だから買い時ではない」と判断して積立を止めた場合、その後さらに上昇すれば機会損失になります。逆に「安くなったから今が買い時」と追加投資しようとしても、底値を当てることは専門家でも不可能です。

結論:積立投資家が基準価額でやるべきことは「毎月淡々と積立を続けること」だけです。

これは「思考停止」ではなく、「長期投資の合理的な戦略」です。市場のタイミングを読もうとすることが、最大のリスクになるからです。ノーベル賞経済学者のポール・サミュエルソンも「投資は退屈に行うべきだ」と述べています。

長期投資家が見るべきは「長期トレンド」のみ

基準価額の日々の上下は気にせず、1年・3年・5年・10年単位のトレンドで判断しましょう。オルカンの長期チャートを見れば、多少の下落があっても右肩上がりのトレンドが続いていることが確認できます。

基準価額が上昇しているということは、ファンドが保有する世界の株式の価値が上がっているということ。これは運用が順調である証拠です。

オルカンが連動するMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは、世界47カ国・2,900銘柄以上に分散されています。一国・一企業の業績が悪化しても、インデックス全体への影響は限定的です。長期的には世界経済の成長とともに指数が上昇し続ける——その前提に基づいて積立を続けることが、オルカン投資の基本戦略です。

なお、買い時・売り時についてより詳しく知りたい方はオルカンの買い時・売り時はいつ?タイミング投資の落とし穴もあわせてご覧ください。

暴落時の基準価額の動きと正しい対処法

長期投資を続けていれば、必ず暴落に遭遇します。2020年のコロナショック、2022年の世界的な金利上昇局面はその代表例です。

2020年コロナショックの下落と回復

2020年2月から3月にかけて、オルカンの基準価額は約13,000円から約9,500円まで▲27%下落しました。当時は「世界恐慌の再来か」という報道が相次ぎ、多くの投資家がパニックに陥りました。

しかし、その後の回復は驚異的でした。2020年末には下落前の水準を超え、2021年末には約19,000円まで上昇。底値から1年半で約2倍になっています。

2022年世界株安の下落と回復

2022年は米国FRBの急激な利上げを背景に、世界的な株安が進行しました。オルカンの基準価額も2021年末の約19,000円から2022年末に約15,500円まで▲18%下落しています。

しかし2023年には急回復し、年末には約22,000円まで上昇。2024年末には約33,000円と、2022年の下落前水準の2倍以上になっています。

「下がった時こそ口数が増える」ドルコスト平均法の力

積立投資(ドルコスト平均法)の最大の強みは、基準価額が下がったときに、同じ金額でより多くの口数を購入できることです。

たとえば毎月30,000円積立している場合、基準価額が30,000円なら1口しか買えませんが、15,000円に下落すれば2口購入できます。その後基準価額が回復したとき、多く仕込んだ口数分だけリターンが大きくなります。

暴落は積立投資家にとって「安く買える機会」と捉えることができます。詳しくはオルカン暴落時の正しい対処法をご参照ください。

Yuzurihaの基準価額との付き合い方

私がオルカンの積立を始めたのは2020年10月——コロナショックから急回復した後の相場でした。当時の基準価額は約14,000〜15,000円台。「もう上がってしまっている、買い遅れたか」と思ったことも正直あります。

しかし2022年に入ると基準価額は大きく下落。多くの人が「損をした」と焦りましたが、私は「毎月の積立で口数が増えている」と前向きに捉え、積立金額を変えることなく継続しました。

そして2024〜2026年にかけて基準価額は急上昇し、現在は40,000〜50,000円台。2020年10月の購入分から見れば、基準価額は約3倍になっています。長く保有し続けたことが、資産形成の大きな力になっています。

私が実践していることはシンプルです。

  • 基準価額の確認は月に1〜2回程度(毎日見ない)
  • 下落しても積立金額を減らさない・積立を止めない
  • 長期チャートを見て「右肩上がりのトレンドが続いているか」だけを確認する
  • 純資産総額の成長(=資金流入の継続)を「信頼できるファンドの証」として受け止める

積立投資の詳細な運用方針についてはオルカン完全ガイド(初心者向け)でも解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 基準価額が高くなっても積立を続けていいですか?

A. はい、積立を続けることをおすすめします。基準価額が高いからといって「割高」ではありません。基準価額の高さは世界の株式市場の成長を反映しているだけです。ドルコスト平均法で積立を続けることで、購入単価は自然に平均化されます。「高値掴みを避けるために待つ」という行動は、機会損失を生むリスクがあります。

Q. 基準価額はいつ更新されますか?

A. 国内株式市場の営業日に1日1回更新されます。当日の基準価額は翌営業日に確定・公表されます。土日祝日や年末年始は更新されません。また、購入時に適用される基準価額は注文日の翌営業日(翌日以降の)基準価額となります(ブラインド方式)。

Q. 基準価額と株価は何が違いますか?

A. 基準価額はファンド全体の資産を口数で割った値、株価は個別企業の時価です。株価はリアルタイムに変動し、需給によって決まりますが、基準価額は1日1回、ファンドが保有する資産の時価をもとに計算されます。また、基準価額が高くても「割高」とは言えない点(ファンドの資産価値の反映)が株価と大きく異なります。

Q. 純資産総額が増え続けているのはなぜですか?

A. 主に2つの理由があります。①新たな投資家がオルカンへの積立を開始・継続していること(資金の純流入)、②ファンドが保有する世界の株式の価値が上昇していること(運用益)です。特に2024年の新NISA開始以降は資金流入が急加速し、2年足らずで純資産総額が約3倍(4兆円→12兆円超)になっています。

まとめ——基準価額・純資産の見方一覧

この記事で解説してきた内容を、一覧テーブルでおさらいします。

項目正しい見方・ポイント
基準価額とは純資産総額÷総口数×10,000で計算される1万口あたりの価格
基準価額が高い=割高?違う。世界の株式価値の上昇を反映しているだけ
基準価額の更新頻度1日1回(翌営業日に確定)。リアルタイムには動かない
純資産総額の意味ファンド全体の資産規模。大きいほど安定・低コスト
オルカンの現在の純資産12兆円超(国内最大規模)
設定来の基準価額上昇率10,000円→40,000〜50,000円台(約4〜5倍・2018〜2026年)
暴落時の正しい行動積立を継続。下落時は口数が増えるチャンス
長期投資家が見るべき指標長期トレンド(右肩上がりか)・純資産総額の推移
基準価額の確認場所三菱UFJアセットMG公式・SBI/楽天証券アプリ・Yahoo!ファイナンス

オルカンの基準価額は2018年の設定時から約4〜5倍に成長し、純資産総額は12兆円を超えています。この数字が示すのは、長期積立・分散投資がいかに有効かという事実です。

日々の価格変動に一喜一憂せず、長期トレンドを信じて積立を継続する。それがオルカン投資家の正しい姿勢です。積立シミュレーションで長期運用の効果を確認したい方はオルカン積立シミュレーション(月1万円〜)もご覧ください。

また、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスの高値圏での積立について気になる方はMSCI ACWI高値圏2026年の注意点もあわせてご参照ください。

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※本記事の基準価額・純資産総額は目安の数値です。正確な数値は三菱UFJアセットマネジメント公式サイトまたは各証券会社のサービスでご確認ください。

※本記事は投資の勧誘を目的としたものではありません。投資はご自身の判断と責任のもとで行ってください。