「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)と楽天・プラス・オールカントリー、どっちがいいの?」——NISAを始めようとした多くの人がぶつかる疑問です。

どちらもMSCI ACWIという同じ指数に連動するインデックスファンドですが、コスト構造・購入できる証券会社・ポイント還元の仕組みに明確な違いがあります。

私Yuzurihaは2020年からeMAXIS Slim全世界株式一本で積立を続けており、楽天・プラスが登場した際に「乗り換えるべきか?」を真剣に検討しました。その経験をもとに、2026年最新データで徹底比較します。

この記事の結論(3行でまとめ)

  • 実質コストはeMAXIS Slimが有利(隠れコストまで含めると差がある)
  • 楽天経済圏ユーザーなら楽天・プラスでも十分(ポイント還元が魅力)
  • 迷ったらeMAXIS Slim(どの証券会社でも買えて運用実績も長い)

オールカントリー(全世界株式)とは?初心者向けにおさらい

まず前提として、「オールカントリー(全世界株式)」について整理します。オールカントリーとは、日本・米国・先進国・新興国を含む世界中の約50カ国・2,900銘柄に一度に分散投資できる投資対象です。

今回比較する両ファンドは、どちらもMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)という指数に連動します。投資対象そのものはほぼ同じで、違いは「中身」よりも「仕組みとコスト」にあります

eMAXIS Slim・楽天プラス 一目でわかる比較表【2026年版】

比較項目eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
楽天・プラス・オールカントリー
株式インデックス・ファンド
運用会社三菱UFJアセットマネジメント楽天投信投資顧問
連動指数MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)
信託報酬(税込)0.05775%0.0561%
隠れコスト込み実質コスト0.094%0.118%
ポイント還元なし0.017%(楽天ポイント)
実質コスト(ポイント控除後)0.094%0.101%
設定日2018年10月2023年10月
純資産総額(参考)約9兆円約6,100億円
購入できる証券会社主要なネット証券全社楽天証券のみ
NISA対応つみたて・成長投資枠 両対応同左

※2026年6月時点の情報。最新の信託報酬・コストは各ファンドの運用報告書でご確認ください。

eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)の特徴

正式名称:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
運用会社:三菱UFJアセットマネジメント
設定日:2018年10月

最大の強みは「業界最安水準の継続的なコスト削減」

eMAXIS Slimシリーズは、「業界最低水準の運用コストを目指し続ける」という方針を掲げています。実際、設定以降に複数回の信託報酬引き下げを実施しており、競合ファンドに追随して常にコストを下げてきた実績があります。

純資産総額が圧倒的に大きく安心

純資産総額は約9兆円と国内最大級。純資産が大きいことのメリットは、繰上償還(途中終了)のリスクが極めて低いことです。長期投資では「ファンドが途中でなくなるリスク」は重大な懸念なので、この安心感は長期投資家にとって非常に大きな価値があります。

どの証券会社でも購入できる

SBI証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券など、主要なネット証券全社で購入可能です。証券会社を将来変更しても継続できる点も安心材料です。

楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンドの特徴

正式名称:楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド
運用会社:楽天投信投資顧問
設定日:2023年10月

最大の魅力は「保有するだけで楽天ポイントが貯まる」

楽天・プラスの最大の特徴は、楽天証券の「投信残高ポイントプログラム」により保有残高に応じて楽天ポイントが付与される点です。

  • 投資信託を保有しているだけでポイント付与
  • 売買不要・保有し続けるだけでOK
  • 還元率:年率0.017%(月次付与)

インデックスファンドは長期保有前提のため、「保有中に利益を受け取れる」という点は大きなモチベーションになります。

楽天経済圏との組み合わせでポイント二重取り

楽天カード積立(最大1%還元)+保有ポイント(0.017%)を組み合わせることで、積立時も保有中もポイントが貯まる二重取りが可能です。楽天市場・楽天銀行も活用している楽天経済圏ユーザーには特に相性が良い選択肢です。

成績(パフォーマンス)に差はある?

結論から言うと、長期的な成績差はほぼありません。理由はシンプルで、どちらも同じ指数(MSCI ACWI)に連動するインデックスファンドだからです。

短期的にはコスト差や運用タイミングのわずかな違いが出ることはありますが、10年・20年の長期では誤差の範囲と考えて問題ありません。「どちらが高いリターンを出すか」で選ぶ必要はなく、コスト・ポイント・使いやすさで選ぶのが正解です。

信託報酬・隠れコストを徹底比較

コスト比較で重要なのは、信託報酬だけを見ないことです。「隠れコスト(実質コスト)」まで含めて比較する必要があります。

コスト項目eMAXIS Slim 全世界株式楽天・プラス・オールカントリー
信託報酬(年率・税込)0.058%0.056%
売買委託手数料0.003%0.015%
有価証券取引税0.013%0.028%
その他費用0.020%0.019%
信託報酬+隠れコスト合計0.094%0.118%
ポイント還元(控除)なし−0.017%
実質コスト(最終)0.094%0.101%

※各社の運用報告書(2024〜2025年度分)に基づく。

信託報酬だけ見ると楽天・プラスが安く見えますが、隠れコストを含めた実質コストはeMAXIS Slimが0.094%で有利です。楽天・プラスのポイント還元(0.017%)を差し引いても0.101%で、eMAXIS Slimより高くなります。

具体的な金額でコスト差を計算【シミュレーション】

「0.007%の差なんて大したことない?」——そう思う方のために、実際の金額で確認してみましょう。

運用残高eMAXIS Slim
(年間コスト 0.094%)
楽天・プラス
(年間コスト 0.101%)
差額(年間)
100万円940円1,010円70円
500万円4,700円5,050円350円
1,000万円9,400円10,100円700円
3,000万円28,200円30,300円2,100円

資産が大きくなるほど差額は広がります。3,000万円の残高では年間2,100円の差。20年間積み立て続けた場合を複利で試算すると、数万円〜数十万円のコスト差になる可能性があります。

一方で、楽天・プラスのポイント還元は楽天市場や楽天トラベルで実際に使えるメリットがあります。楽天経済圏を積極的に活用している方なら、ポイントの利便性を加味した判断も合理的です。

私Yuzurihaはどちらを選んでいる?

私は2020年からeMAXIS Slim全世界株式一本で積立を続けています。楽天・プラスが2023年に登場した際、乗り換えるかどうか真剣に検討しました。

結論として、私はeMAXIS Slimを継続することにしました。理由は3つです。

  1. 実質コストでeMAXIS Slimが有利:隠れコストまで含めると差が逆転する
  2. 楽天証券以外でも買える安心感:将来の証券会社変更に対応できる
  3. 純資産総額が圧倒的に大きい:9兆円規模のファンドが途中終了するリスクはほぼゼロ

ただし、楽天カード・楽天銀行・楽天市場をフル活用している方なら楽天・プラスの選択も十分合理的です。ポイント還元の恩恵が大きく、楽天経済圏で効率よくポイントを活用できます。

【結論】どちらを選ぶべきか?

  1. 楽天証券以外でも使いたい・コストを最小化したい → eMAXIS Slim全世界株式
  2. 楽天証券ユーザーで楽天ポイントを積極活用している → 楽天・プラス・オールカントリー
  3. どちらか迷う → eMAXIS Slim(汎用性・実績ともに上)

最も重要なのは、「どちらを選んでも積立を継続すること」です。コスト差よりも、毎月コンスタントに積み立てを続けることの方が長期リターンに大きく影響します。

どの証券会社でオルカンを買うべきか迷っている方は、SBI証券・楽天証券・マネックスの徹底比較記事もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 途中で乗り換えても問題ありませんか?

A. NISA枠では売却すると枠が再利用できない(新NISAでは翌年に枠が復活しますが、その年の枠は消える)ため、慎重に判断しましょう。特定口座の場合は乗り換えが比較的自由ですが、売却時に課税が発生します。

Q. 将来、信託報酬が変わる可能性は?

A. eMAXIS Slimは「業界最低水準を目指す」方針のため、競合ファンドが下げた場合に追随して下がる可能性があります。楽天・プラスも競争上、追随する可能性があります。どちらも今後さらに安くなる可能性があると考えておきましょう。

Q. 両方を買うのはアリですか?

A. 同じ指数に連動するファンドを2つ持つのは分散効果がなく、管理が煩雑になるだけです。どちらか1本に絞ることをおすすめします

Q. 楽天・プラスはSBI証券では買えませんか?

A. 現時点では楽天証券専用のファンドです。SBI証券・マネックス証券など他社では購入できません。

Q. 楽天・プラスのポイント還元は今後も続く?

A. 楽天の施策変更により条件や還元率が変わる可能性があります。ポイント還元を主な理由に選択する場合は、定期的に最新の条件を確認することをおすすめします。

Q. eMAXIS Slimと楽天・プラス、隠れコストはなぜ違う?

A. 売買委託手数料と有価証券取引税の差が主な原因です。楽天・プラスは設定から日が浅く、ポートフォリオの売買回転が高い時期があったため隠れコストが高めです。今後、規模が拡大するにつれて改善される可能性はありますが、現時点ではeMAXIS Slimが有利です。

投資信託の隠れコストについて詳しく知りたい方は、投資信託の実質コスト解説記事もご参照ください。

※本記事は投資情報の提供を目的としており、特定のファンドや証券会社を推奨するものではありません。投資は自己責任のもとで行ってください。信託報酬・実質コスト・ポイント還元率は変更される場合があります。最新情報は各社の公式サイトでご確認ください。