オルカンの国別割合が変わる理由|47カ国の内訳と過去5年のシェア推移

オルカンの国別割合は固定された数字ではなく、時価総額の変化に応じて年4回見直され、少しずつ変わり続けています。
「オルカンが良いらしい」と聞いて積立を始めたものの、国別の中身まで細かく見たことがない、という方は多いのではないでしょうか。
この記事では、今の国別構成比率を一覧表とグラフで確認したうえで、直近5年間でどう変化してきたのか、その理由まで含めて解説します。
具体的には、47カ国の内訳、比率が変わる仕組み、中国・インドなど新興国のシェア変化、通貨分散との関係、日本株の扱いまで順番に見ていきます。
結論ファースト|オルカンの国別構成比率は「今の数字」より「変化の方向」で見る
先に結論をお伝えします。オルカンは、今の数字だけでなく変化の方向性まで見ておくと理解が深まるファンドです。
- 先進国:88.6% / 新興国:11.4%
- アメリカ:約63.2%(先進国の中心)
- 中国:2019年の3割超→2024年には2割台半ばに低下
- インド:2019年の1割弱→2024年には2割前後に急伸
アメリカ比率が高いのは今も変わりませんが、新興国の中では中国の存在感が下がり、インドが急速に伸びています。
この「変化の方向」を知っておくことで、将来また比率が動いたときも冷静に受け止められるはずです。
私自身も、オルカンを積み立てながら四半期ごとの目論見書更新のタイミングで国別構成比率をチェックする習慣にしています。数字を追っていくと、ニュースで見る国際情勢の変化がそのまま指数に反映されていくのがよくわかります。
オルカンの国別構成比率とは?47カ国の内訳を一覧表とグラフで確認
オルカンは「MSCI ACWIインデックス」に連動しており、世界47カ国・地域の株式に分散投資しています。
まずは直近の目論見書・月次レポートに基づく、現時点での構成比率を表とグラフで確認しましょう。同じデータは三菱UFJアセットマネジメント公式サイトの月次レポートでも確認できます。
オルカンの国・地域別構成比率(2026年3月末時点)
色は下の表と対応しています(青系=先進国、橙系=新興国)。詳しい数値は表でご確認ください。
先進国比率と新興国比率の内訳
オルカンの中身は、約88.6%が先進国、約11.4%が新興国で構成されています。| 分類 | 比率 | 主な国 |
|---|---|---|
| 先進国(日本除く) | 約83.6% | 米・英・加・仏・独 等22カ国 |
| 日本 | 約5.0% | トヨタ、ソニーG 等 |
| 新興国 | 約11.4% | 中・台・印・韓 等24カ国 |
主要国の構成比率ランキング表
| 分類 | 国・地域 | 構成比率 |
|---|---|---|
| 先進国 | アメリカ | 63.2% |
| 先進国 | 日本 | 5.0% |
| 先進国 | イギリス | 3.4% |
| 先進国 | カナダ | 3.2% |
| 先進国 | フランス | 2.3% |
| 先進国 | その他18カ国(スイス・ドイツ・オーストラリア・オランダ・スペイン等) | 11.6% |
| 計 | 先進国23カ国・地域 合計 | 88.6% |
| 新興国 | 中国 | 2.9% |
| 新興国 | 台湾 | 2.6% |
| 新興国 | 韓国 | 1.8% |
| 新興国 | その他21カ国(インド・ブラジル・南アフリカ等) | 4.1% |
| 計 | 新興国24カ国・地域 合計 | 11.4% |
※出典:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)交付目論見書」(使用開始日2026年7月25日、MSCI Inc.のデータを基に作成、2026年3月末現在)。構成比率はMSCI ACWI指数の定期見直し等により変動します。
なぜオルカンの構成比率は変わるのか?時価総額連動という仕組みが理由
オルカンの国別比率は、誰かが意図的に調整しているわけではなく、仕組み上自然に変わっていきます。
オルカンが連動するMSCI ACWIインデックスは「時価総額加重平均」という方式で、各国・各企業の比率を決めています。
時価総額加重平均とは、株価×発行株式数で計算した企業の規模(時価総額)が大きいほど、指数内での比率も大きくなる仕組みです。
つまり、ある国の企業の株価が上がって時価総額が増えれば、その国の比率も自動的に上がります。逆も同じです。
さらにMSCIは年4回(2月・5月・8月・11月)、指数の定期見直し(インデックスレビュー)を実施しています。
この見直しでは、新しく基準を満たした企業の追加や、基準から外れた企業の除外が国単位で反映され、それが積み重なって国別比率が動きます。
オルカン自体が方針を変えているのではなく、世界の株式市場の変化がそのまま反映されている、とイメージすると理解しやすいと思います。
過去5年でオルカンの構成比率はこう変わった|中国は低下、インドは急伸
ここからは、新興国の中で特に変化が大きかった中国とインドを中心に、過去5年間の推移を見ていきます。
なお、これから紹介する比率は「MSCI新興国指数の中での各国シェア」です。オルカン全体(先進国+新興国)に占める比率とは軸が異なる点にご注意ください。
オルカン全体で見た場合、新興国が占める比率はそもそも11.4%程度であり、その中での各国の力関係が変化している、というイメージです。
中国の比率はなぜ低下したのか
中国は、MSCI新興国指数の中でのシェアが2019年時点の3割超から、2024年には2割台半ばまで低下したとされています。参照する指数の種類や時点によって数値には幅があり、一部の報道では2024年にインドが中国を上回ったとする情報もあります。
背景には、中国経済の成長鈍化や不動産市況の悪化、IT企業への規制強化などによる株価低迷があるといわれています。
また、米中間の緊張の高まりを受けて、海外投資家の資金が中国株から他の新興国へ分散する動きも指摘されています。
こうした要因が重なり、新興国指数の中での中国の時価総額シェアが相対的に縮小してきた、と考えられます。
なお、オルカン全体(MSCI ACWI)に占める中国の比率は、2026年時点で約2.9%です。新興国指数内のシェアとは別の数字である点にご注意ください。
インドの比率はなぜ急伸したのか
インドは、MSCI新興国指数の中でのシェアが2019年時点の1割弱から、2024年には2割前後まで急伸したとされています。参照する指数の種類や時点によって数値には幅がありますが、いずれのソースでも急伸傾向は共通しています。
インド経済の高い成長率に加え、株式市場全体の時価総額が拡大し、指数に組み入れられる企業数も増えたことが背景にあります。
加えて、中国一極集中を避けたい海外投資家の資金が「チャイナプラスワン」の流れでインドに向かった、とも指摘されています。
一方で、オルカン全体の中でインドは個別開示国には含まれておらず、「その他新興国21カ国4.1%」の中に含まれる位置づけです。
新興国指数の中では存在感を増している国ですが、オルカン全体で見るとまだ大きな比率を占める段階ではない、と捉えておくとよいでしょう。
台湾・韓国が急浮上している背景
中国のシェアが縮小する一方で、台湾・韓国は新興国指数の中で存在感を増しているとされています。
背景には、TSMCをはじめとする半導体関連企業や、韓国の大手テック企業の時価総額拡大があると考えられます。
世界的な半導体需要の高まりが、両国の株式市場全体を押し上げている、という見方もあります。
なお韓国については、MSCIの市場分類(先進国か新興国か)そのものが議論の的になっています。詳しくは後述します。
アメリカ比率が突出して高い理由|「集中しすぎでは?」という不安への答え
「アメリカに6割以上も集中していて大丈夫なの?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
その気持ちはよく分かります。ですが、これは誰かが意図的にアメリカへ偏らせているわけではありません。
前述の通り、オルカンは時価総額加重平均という仕組みで比率を決めています。アメリカ企業の時価総額が世界の中で大きいため、結果として比率が高くなっているだけです。
- Apple、Microsoft、Amazon、NVIDIAなど、世界的な巨大テック企業の多くがアメリカに集中している
- これらの企業の株価が上がるほど、指数全体に占めるアメリカの比率も自然に高くなる
- もしアメリカ経済が停滞し株価が下がれば、時価総額の低下に応じて比率も自動的に下がる
つまり「アメリカ偏重」は、世界経済の現実をそのまま映した結果であり、人為的な判断によるものではありません。
仮に将来アメリカの存在感が縮小すれば、オルカンを保有しているだけで比率は自動的に調整されます。自分で銘柄を入れ替える必要はありません。
通貨分散の観点から見るオルカンの国別構成
国別の構成比率は、そのままその国の通貨への投資比率にもつながっています。
アメリカの比率が約63.2%を占めるということは、オルカン資産の多くが米ドル建て資産に連動している、ということでもあります。
オルカンの組入上位通貨比率(2026年4月30日現在)
色は下の表と対応しています。詳しい数値は表でご確認ください。
| 通貨 | 比率 | 主な影響 |
|---|---|---|
| 米ドル | 64.1% | 円安→プラス、円高→マイナス |
| ユーロ | 7.6% | 欧州経済の影響 |
| 日本円 | 5.0% | 為替の影響を受けない部分 |
| 英ポンド | 3.1% | – |
| カナダドル | 3.0% | – |
| その他 | 17.2% | ニュー台湾ドル・香港ドル・韓国ウォン・スイスフラン等に自然分散 |
※出典:三菱UFJアセットマネジメント公式資料(2026年4月30日現在の組入上位通貨)
このように、オルカンは1本で複数の通貨に分散投資できる一方、比率の高い米ドルの動きに資産価値が左右されやすい面もあります。
「円安・円高が資産にどう影響するのか」が気になる方は、オルカンの為替リスクは本当に危険?円安・円高データで検証で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
日本株の比率と構成銘柄
先進国の一角として、日本もオルカンの構成国に含まれています。ここでは日本株の位置づけと、主な組入銘柄を確認しましょう。
具体的な比率は下の表の通りですが、比率自体もこれまで見てきたように時価総額の変化に応じて少しずつ動きます。
オルカンに含まれる日本株の全リストや、採用・除外の基準についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
また、日本株がどのような基準で入れ替わるのか、その仕組みについても同じ記事で解説しています。
韓国はMSCI分類でどう扱われる?
先ほど触れた通り、韓国は新興国指数の中で存在感を増している国の一つです。
実は韓国は、MSCIの市場分類上「新興国(エマージング)」として扱われていますが、先進国への格上げが長年議論されてきました。
仮に韓国が先進国に分類されれば、オルカンの新興国比率や国別構成にも影響が及ぶ可能性があります。
この記事では概要のみのご紹介とし、審査の経緯や見送りの理由、今後の影響については以下の記事で詳しく解説しています。
詳しくはオルカンの韓国比率はどうなる?MSCI2026年市場分類審査、見送りの理由と影響を解説をご覧ください。
この記事がおすすめな人・向かない人
おすすめな人
- オルカンの国別構成比率を最新の数字で確認したい人
- 「アメリカに偏りすぎでは?」という不安の理由を知りたい人
- 中国やインドなど新興国比率の変化を知り、今後の見通しを考えたい人
- 通貨分散や日本株の扱いまで含めて、オルカンの中身を理解したい人
向かない人
- 特定の国・地域だけに集中投資したい人(オルカンは分散投資が前提の商品です)
- 短期間で比率が大きく変わることを期待している人(比率の変化は緩やかです)
- 個別銘柄選びなど、より能動的な投資判断をしたい人
よくある質問(FAQ)
オルカンの国別割合はどうなっていますか?
2026年3月末時点で、先進国が88.6%、新興国が11.4%です。先進国の中ではアメリカが約63.2%と最も高い比率を占めています。
オルカンのアメリカ比率はどのくらいですか?
2026年3月末時点で約63.2%です。これは時価総額加重平均という仕組み上、自然にそうなっている数字です。
オルカンの中国比率はどのくらいですか?
オルカン全体(MSCI ACWI)に占める中国の比率は、2026年時点で約2.9%です。新興国指数内でのシェアは低下傾向にあるとされています。
オルカンのインド比率はどのくらいですか?
インドは個別開示国には含まれておらず、「その他新興国21カ国4.1%」の中に含まれています。ただし新興国指数の中でのシェアは伸びているとされています。
オルカンは何カ国に投資していますか?
世界47カ国・地域の株式に分散投資しています。投資対象は先進国と新興国の両方を含みます。
オルカンの新興国比率はどのくらいですか?
2026年3月末時点で約11.4%です。中国・台湾・インドなどが含まれますが、比率は指数の定期見直しにより変動します。
オルカンの国別比率は今後も変わりますか?
はい、変わる可能性があります。MSCIの年4回の定期見直しや、各国企業の時価総額の変化に応じて、今後も比率は動いていくとみられます。
まとめ|オルカンの構成比率は「今」ではなく「変化」で捉える
オルカンの国別構成比率は、2026年3月末時点で先進国88.6%・新興国11.4%、アメリカが約63.2%を占めています。
一方で、過去5年間を振り返ると、新興国指数の中で中国のシェアが3割超から2割台半ばに下がり、インドが1割弱から2割前後に伸びるという変化も起きています(数値は参照する指数や時点によって幅があります)。
この比率は、誰かが意図的に調整しているのではなく、時価総額加重平均という仕組みによって自動的に決まっているものです。
今の数字だけでなく、こうした変化の方向性を知っておくことで、今後比率が動いたときも慌てず受け止められると思います。
オルカンは1本で世界中に分散投資できる商品です。国別比率は今後も定期的に見直されていきますので、気になったときにまた確認してみてください。
これからオルカンへの積立を始めたい方、始め方から順番に確認したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
※本記事の情報は2026年3月末時点(2026年7月25日交付の最新目論見書ベース)の公開データに基づいています。構成比率はMSCIの定期見直し(年4回)により変動します。投資判断は自己責任でお願いいたします。













