オルカンの積立を一時停止したらどうなる?影響と再開方法を解説
「生活費が苦しくなってきた。オルカンの積立を一時停止してもいいのだろうか?」と悩んでいる方は多いはずです。
結論から言います。積立の一時停止は問題ありません。でも「解約(売却)」だけは絶対にやめてください。
この記事では、積立を一時停止した場合の30年後の影響をシミュレーションで示しながら、停止すべき状況・してはいけないこと・SBI証券と楽天証券での手順を完全解説します。私Yuzurihaは2020年からオルカンを積み立て続け、2022年に含み損▲200万円を経験しながらも一度も停止しませんでした。その実体験もお伝えします。
積立を一時停止しても良い場合
積立投資は「続けること」が大前提ですが、生活環境が変わったときには一時停止を選ぶことが合理的な判断になります。以下の状況なら、停止を検討して構いません。
生活費が急に必要になった
病気・けが・家電の故障・冠婚葬祭など、予期せぬ出費が重なることがあります。生活防衛資金(生活費3〜6ヶ月分)が底をついた状態で投資を続けるのはリスクが高いです。
積立を止めて、まず手元資金を補充することを優先しましょう。投資は生活が安定してから再開すれば十分間に合います。
転職・育児休業で収入が減った
転職活動中の無収入期間や、育児休業中の給付金生活では、毎月の支出を絞ることが最優先です。育休中は手取り収入が通常の50〜67%程度に下がるため、月3万円の積立が家計を圧迫することがあります。
こういった時期は積立額を減らす(例:月3万円→月1万円)か、完全に停止するかを選びましょう。どちらも正解です。
住宅購入の頭金を貯める
3〜5年以内に住宅購入を予定している場合、頭金のために積立を一時的に止めることは合理的です。3〜5年以内に使う予定のお金を株式ファンドで運用するのはリスクが高く、タイミングによっては暴落で元本を割り込む可能性があります。
住宅購入が完了したら、また積立を再開すればよいのです。長期投資の本質は「止めないこと」ではなく「最終的に続けること」です。
一時停止の影響:シミュレーションで見る差額
「1年くらい止めても大丈夫だろう」と思うかもしれません。数字で確認してみましょう。
月3万円積立を1年停止した場合の30年後の差
条件:月3万円積立・年率7%・積立期間30年(360ヶ月)。2年目〜3年目(12ヶ月)を停止したケースとの比較。
| 条件 | 30年後の資産額 | 差額 |
|---|---|---|
| 停止なし(360ヶ月フル積立) | 約3,615万円 | — |
| 1年停止(348ヶ月積立) | 約3,401万円 | ▲214万円 |
たった1年の停止で、30年後に約214万円の差が生まれます。これは複利効果によるもので、早い段階で積み立てた元本ほど長期間にわたって運用され、最終的な資産額に大きく影響します。
ただし、この214万円の差は「停止した方が絶対ダメ」という意味ではありません。生活が破綻するリスクを避けることの方が重要であり、一時停止は現実的な選択肢です。大切なのは、停止した後に必ず再開することです。
積立継続 vs 一時停止の資産推移
| 経過年数 | 継続(資産額) | 1年停止(資産額) |
|---|---|---|
| 10年後 | 約494万円 | 約479万円 |
| 20年後 | 約1,557万円 | 約1,510万円 |
| 30年後 | 約3,615万円 | 約3,401万円 |
10年・20年の時点では差が小さく見えますが、30年後に近づくほど差が広がります。これが複利の恐ろしさであり、同時に「早く始め・長く続ける」ことの威力でもあります。
絶対にやってはいけない「解約(売却)」
積立の一時停止は問題ありません。しかし、保有しているオルカンを売却・解約することだけは絶対に避けてください。特に暴落時の売却は、投資における最大の失敗です。
暴落時の解約が最も損失を確定させる
株式市場は歴史的に見て、暴落後には必ず回復してきました。
| 暴落イベント | 下落率 | 回復までの期間 |
|---|---|---|
| リーマンショック(2008年) | 約▲55% | 約5年 |
| コロナショック(2020年) | 約▲34% | 約6ヶ月 |
| 2022年世界株安 | 約▲20% | 約1〜2年 |
暴落時に売却すると、その損失が「確定」してしまいます。含み損はあくまで紙上の数字ですが、売却した瞬間に実損になります。そして多くの場合、売った後に株価が回復し、「なぜ売ってしまったのか」と後悔することになります。
長期で持ち続けることの重要性
eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)は、世界約50カ国・3,000銘柄超に分散投資しています。世界経済全体が長期的に成長し続ける限り、オルカンの価値も長期的には上昇します。
1年・2年の暴落を「損切り」と称して売却するのは、長期投資の本質を否定する行為です。積立を一時停止するのはOK。でも解約だけは、どんな状況でも踏み留まってください。
一時停止の手順(SBI証券・楽天証券)
積立を一時停止する手順は、証券会社によって異なります。主要2社の手順を紹介します。
SBI証券での積立停止手順
- SBI証券にログイン
- 上部メニュー「投信」→「投信積立」をクリック
- 「積立設定一覧」から「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を選択
- 「設定変更」→「積立を停止する」を選択
- 確認画面で「停止する」をクリック
注意点:締め切り日(毎月25日前後)を過ぎると翌月分が処理されてしまう場合があります。早めに手続きしましょう。
楽天証券での積立停止手順
- 楽天証券にログイン
- 「投資信託」→「積立設定」をクリック
- 設定中のファンド一覧から「eMAXIS Slim 全世界株式」を選択
- 「設定を変更する」→「積立を停止する」を選択
- 確認後「停止する」をクリック
楽天証券も締め切り日があるため、月末・月初の手続きは翌月適用になる場合があります。
積立金額を減額する方法も有効
完全停止ではなく、月3万円→月1万円に減額する方法もあります。少額でも継続することで、ドルコスト平均法の恩恵を受け続けられます。生活が苦しいときこそ「完全停止より減額」を選ぶことを検討してみてください。
停止中も保有分は運用継続:複利は止まらない
積立を停止しても、すでに保有しているオルカンの運用は止まりません。これは見落とされがちな重要なポイントです。
たとえば、月3万円を5年間積み立てて総投資額180万円・評価額が230万円になっている状態で積立を停止したとします。この230万円は、積立を止めた後も市場の動きに連動して運用され続けます。
| 状況 | 積立停止後の動き |
|---|---|
| 積立停止 | 新たな買い付けは行われない |
| 保有ファンド | 停止中も市場で運用継続 |
| 複利効果 | 保有残高に対して継続的に発生 |
| 分配金 | オルカンは無分配(再投資型)のため自動的に複利運用 |
積立を止めることと、投資をやめることは全く別です。停止中も資産は生きており、市場の上昇局面では保有残高がしっかり増えていきます。「停止中も複利が働いている」という事実が、積立再開への大きなモチベーションになるはずです。
Yuzurihaの実体験:▲200万円でも止めなかった理由
私Yuzurihaは2020年からSBI証券でオルカンを月3万円ずつ積み立てています。2022年、世界的な金融引き締めの影響で株式市場が大きく下落し、私の保有資産が一時▲200万円の含み損になりました。
正直、不安でした。「今すぐ売るべきか」「積立を止めるべきか」と何度も考えました。しかし私は積立を止めませんでした。理由はシンプルで、「暴落時に売ったり止めたりすることで利益が出た投資家を知らない」という一点でした。
その判断は正解でした。2023年から市場は回復し、2024年には含み損が完全に解消され、さらに大幅なプラスになりました。あのとき積立を止めていたら、安値での買い付け機会を逃していたことになります。
もし収入が急減してどうしても積立を止めざるを得ない状況になっても、保有しているオルカンだけは手放さないでください。時間さえあれば、複利と市場の成長が必ずあなたの資産を回復させます。
よくある質問(FAQ)
Q. 積立を1年停止しても取り返せますか?
A. 取り返せます。1年停止すると30年後に約214万円の差が生じますが、再開後に積立額を月1,000円〜数千円増やすことで取り戻すことも可能です。何より「再開すること」が最重要です。
Q. 積立を止めている間に暴落したらどうすればよいですか?
A. 保有ファンドはそのまま持ち続けてください。暴落中は売却せず、余裕ができたら積立を再開しましょう。暴落時に再開すると安値で多く買えるため、むしろチャンスです。
Q. オルカンを解約して別のファンドに乗り換えるのはどうですか?
A. 基本的にはおすすめしません。乗り換えで売却すると税金(利益に対して約20%)が発生し、複利の連続性が途切れます。よほど明確な理由がない限り、オルカンを持ち続ける方が合理的です。
Q. NISAで積み立てている場合、停止すると非課税枠はどうなりますか?
A. 積立を停止した月の非課税枠は使われません。ただし、新NISAの年間投資枠(つみたて枠120万円)は翌年に繰り越せないため、停止した分の枠は消えます。ただし翌年に新たな枠が付与されるので、再開後はまた非課税で積み立てられます。
Q. 積立を停止した後、再開するタイミングはいつが良いですか?
A. 生活防衛資金が整い次第、すぐに再開しましょう。「市場が下落してから再開しよう」「高すぎるから待とう」というタイミング狙いは不要です。再開できる状態になったその日が最良の再開タイミングです。
まとめ:停止はOK、解約だけはNG
| 行動 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 積立を一時停止する | OK | 生活優先・再開すれば取り戻せる |
| 積立額を減額する | OK | 少額でも複利・ドルコスト平均の恩恵を維持 |
| 保有ファンドを持ち続ける | 必須 | 停止中も複利運用は継続する |
| 暴落時に解約・売却する | NG | 損失が確定し、回復の恩恵を受けられない |
| 市場タイミングを狙う | NG | プロでも不可能。再開できたら即再開が正解 |
オルカンの積立は、生活環境に合わせて柔軟に調整して構いません。収入が減ったとき・出費が重なったときは、迷わず停止・減額を選んでください。
ただし、保有しているオルカンを売却することだけは絶対に避けてください。時間と複利があれば、一時的な停止の影響は必ず取り戻せます。大切なのは、長期で市場に居続けることです。
まずは生活を安定させましょう。そして余裕ができたら、また100円からでも積立を再開してください。その一歩が、将来の資産形成につながります。
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※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。元本割れのリスクがあります。












