公開日:2026年6月|対象:全世界株式ファンドを比較検討している方

全世界株式に投資する際、必ずといっていいほど目にするのが「FTSE」と「ACWI」という言葉です。

オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)はACWI、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドはFTSEベースです。「どちらが優れているの?」「成績に差は出るの?」という疑問をよく受けます。

結論から言うと、長期投資ではどちらを選んでも大きな差はありません。しかし、考え方・カバー範囲・構成銘柄数に明確な違いがあります。この記事でその違いを正確に解説します。

この記事を読むとわかること

  • FTSEとACWIの根本的な違い
  • 日本・韓国の分類に関する重要な違い
  • 実際の過去リターン比較
  • オルカン vs SBI・V・全世界の選び方

FTSEとACWIとは何か

FTSE(エフティーエスイー)

FTSEとは、イギリスの指数算出会社FTSE Russell(FTSEラッセル)が提供する株価指数です。全世界株式投資でよく使われるのはFTSE Global All Cap Index(グローバル・オールキャップ・インデックス)で、世界約50カ国・約9,000銘柄以上を対象とした幅広い指数です。

ACWI(エーシーダブリューアイ)

ACWIとは、アメリカの指数算出会社MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が提供する株価指数「MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)」です。世界約50カ国・約2,900銘柄を対象としています。

FTSEとACWIの主な違い

比較項目FTSE Global All CapMSCI ACWI
算出会社FTSE Russell(英国)MSCI(米国)
採用銘柄数約9,000銘柄以上約2,900銘柄
対象国数約50カ国約50カ国
韓国の分類先進国新興国
小型株含む大型・中型株中心
主な採用ファンドSBI・V・全世界 等eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)等

最も重要な違い:韓国の分類

FTSEとACWIの最も実質的な違いは韓国株式の分類です。

  • FTSE:韓国を「先進国」に分類 → サムスン電子、現代自動車などが先進国株式として組み入れ
  • MSCI ACWI:韓国を「新興国」に分類 → 韓国株式は新興国の一部として組み入れ

この違いにより、同じ「全世界株式」でも先進国と新興国の比率が微妙に異なります。ただし韓国の世界時価総額に占める比率は約1.5〜2%程度なので、長期リターンへの影響は非常に限定的です。

銘柄数の違い:小型株の扱い

FTSEが約9,000銘柄に対し、MSCI ACWIは約2,900銘柄。この差は主に小型株の扱いによります。

  • FTSE:大型株・中型株・小型株をすべて含む
  • MSCI ACWI:大型株・中型株が中心(小型株は別指数「スモールキャップ」)

しかし、世界の株式時価総額の大部分(85〜90%)を大型・中型株が占めているため、小型株の有無がリターンに大きく影響することはほとんどないのが実態です。

過去リターン比較:実際の差は?

FTSEベースとACWIベースのファンドの過去リターンを比較すると、年率差は通常±0.2%以内に収まっています。長期(10年・20年)では、この差はほぼ誤差の範囲です。

期間FTSE Global All Cap(目安)MSCI ACWI(目安)
直近1年時期によって前後時期によって前後±0.1〜0.3%
直近3年(年率)概ね類似概ね類似±0.2%以内
直近10年(年率)概ね類似概ね類似誤差範囲

どちらが「優れているか」は時期によって変わるため、長期投資においては優劣をつけることに意味はほとんどありません。

実際に選べるファンドで比較

ファンド名指数信託報酬純資産(目安)
eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)MSCI ACWI年0.05775%12兆円超
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドFTSEグローバル・オールキャップ年0.1022%約5,000億円
楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドMSCI ACWI年0.05775%約3,000億円

コスト面ではeMAXIS Slim全世界株式(オルカン)と楽天・オールカントリーが同率最低水準。純資産の大きさはオルカンが圧倒的で、流動性・安定性の観点でも最上位です。

オルカン vs SBI・V・全世界:どちらを選ぶべきか

私Yuzurihaは迷わずオルカン(MSCI ACWI)を選びましたが、その主な理由は以下の通りです。

  1. 信託報酬が同率または低い(0.05775% vs 0.1022%)
  2. 純資産が圧倒的に大きい(12兆円超 vs 約5,000億円)→ 安定性が高く繰上償還リスクが低い
  3. 運用開始から時間が経っており実質コストデータが蓄積されている

SBI・V・全世界を選ぶ理由としては「小型株を含めた真の全世界分散にこだわりたい」という場合が考えられますが、実際のリターン差は非常に小さいため、初心者にはコストが低くて純資産が大きいオルカンが最もシンプルな選択です。

よくある質問(FAQ)

Q. FTSEとACWIのどちらが将来性がありますか?

A. 長期的には同等と考えてよいと思います。どちらも「世界全体に投資する」という基本設計は同じです。韓国の分類差や小型株の有無よりも、信託報酬や純資産規模の方が重要な選択基準です。

Q. SBI・V・全世界からオルカンに乗り換えるべきですか?

A. 乗り換えの手間とコスト(課税口座であれば売却益への税金)を考えると、必ずしも乗り換えを急ぐ必要はありません。どちらも長期投資として優秀なファンドです。新規の積立先として変更することは合理的です。

Q. 日本株の比率に違いはありますか?

A. どちらも日本の時価総額シェア(約5〜6%)に基づいて組み入れており、大きな違いはありません。

まとめ

比較項目FTSEMSCI ACWI長期投資への影響
銘柄数約9,000約2,900ほぼ影響なし
韓国の分類先進国新興国わずか(1〜2%の差)
過去リターン概ね同等概ね同等誤差範囲
主要ファンドコスト0.10%〜0.06%〜ACWIがやや有利

FTSEとACWI、どちらを選んでも長期投資では「ほぼ同じ」です。それよりも信託報酬・純資産・継続して積み立てられるかを重視しましょう。これらの観点で最もバランスが取れているのが、現時点ではeMAXIS Slim全世界株式(オルカン)です。

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※ 本記事の情報は執筆時点(2026年6月)のものです。コスト・純資産額は変動します。投資は自己責任で行ってください。