公開日:2026年6月|対象:オルカン積立中・高値圏で積立を続けるか迷っている方

「オルカンが高値圏にある今、積立を続けていいの?」「高値で買うと損をしそうで怖い」——そう感じている方は多いと思います。

2025年後半から2026年にかけて、MSCI ACWI(全世界株式指数)は過去最高水準付近まで上昇しました。オルカンはこの指数に連動しているため、現在は「高値掴み」になるのではないかと不安になる方もいるでしょう。

この記事では、高値圏での積立継続の是非を過去データと長期投資の視点から徹底解説します。私Yuzurihaも同じ疑問を持ちながら積立を続けてきた経験をお伝えします。

この記事でわかること

  • MSCI ACWIとオルカンの関係
  • 2025〜2026年の世界株式市場の状況
  • 高値圏での積立継続が正解な理由(データで解説)
  • 過去の高値圏後に何が起きたか(2019・2021年の実例)
  • Yuzurihaが高値圏でも積立を止めない理由

MSCI ACWIとは?オルカンとの関係

まず「MSCI ACWI」について整理します。オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)を積み立てている方には特に重要な指数です。

項目内容
正式名称MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)
算出会社MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル、米国)
対象国数約50カ国(先進国23カ国+新興国24カ国)
採用銘柄数約2,900銘柄
対象時価総額世界株式市場の約85%をカバー
連動する主なファンドeMAXIS Slim全世界株式(オルカン)、楽天・オールカントリー 等

オルカンはこの「MSCI ACWI」にほぼ連動するよう設計されています。つまり、MSCI ACWIの動きがそのままオルカンの基準価額の動きに反映されます。

2025〜2026年の世界株式市場:何が起きているか

2025年を通じて、MSCI ACWI指数は大きな上昇を記録しました。

指標内容
2025年年初来上昇率約+21.6%
200日移動平均線上回り銘柄構成銘柄の約94%
米国除くACWI vs S&P500の差約+12ポイント(米国外の方が好調)
米国外がS&P500を上回った差2009年以来最大

特に注目すべきは、米国株だけでなく欧州・アジア・新興国全般で株価が上昇している点です。単なる米国株バブルではなく、「世界全体で経済が堅調」という分散投資本来の状況が現れています。

なぜここまで上昇しているのか:3つの背景

  1. 新興国市場の躍進:新興国株式の急騰がACWI全体を押し上げ。特に東南アジア・インドなど成長途上の地域が貢献
  2. AI・テクノロジー企業の好業績:ACWI上位構成銘柄のAI関連・クラウド企業が継続的に好決算を発表
  3. 米国以外の地域分散効果:欧州・日本・新興国が同時に好調という「真の全世界分散」が機能した局面

高値圏での積立継続は正しいのか?データで検証

「高値圏では買い控えた方がいい」「暴落してから買い始めよう」——この考えは直感的には正しそうに見えます。しかし、データはこれを否定します。

「史上最高値更新後」の平均リターン

米国S&P500の過去データ(1950年〜2023年)では、史上最高値を更新した翌年の平均リターンは約+9.4%という研究があります。「高値で買うと損をする」どころか、過去データでは高値更新後も上昇し続ける傾向があります。

「高値圏での積立」の懸念データが示す現実
高値で買うと損をする史上最高値更新後も平均で上昇継続(S&P500の歴史的データ)
暴落を待ってから買う方が有利「暴落待ち」で機会損失した期間のコストの方が大きいことが多い
高値圏では積立を一時停止すべき毎月定額積立(ドルコスト平均法)は高値も安値も自動で平均化する

「暴落待ち」の落とし穴

「暴落してから一括で買う」という戦略には、致命的な問題があります。

  • 暴落がいつ来るか誰にもわからない(2〜5年待つこともある)
  • 暴落待ちの間、資金が眠っていることで機会損失が発生
  • 実際に暴落が来ても、恐怖で買えない人が続出する
  • 暴落後のさらなる底がいつかもわからない(さらに待ってしまう)

結果として、「暴落待ちして結局買えなかった」という経験者が非常に多いのが現実です。

過去の高値圏後に何が起きたか:実例で検証

過去にオルカン(MSCI ACWI)が高値圏にあった時期の後、実際にどうなったかを見てみましょう。

時期状況その後1年その後3年
2018年9月(高値圏)米中貿易摩擦で不安定▲13%(2018年末に急落)+27%(3年累計では回復)
2019年12月(史上最高値更新)コロナ前の楽観相場▲4%(コロナ暴落)→ 年末回復+60%以上(コロナ回復+上昇)
2021年末(史上最高値)インフレ懸念・金利上昇▲20%(2022年世界株安)回復・史上最高値更新

短期では下落することもありますが、3〜5年のスパンでは必ず回復し、新たな高値を更新してきたのが世界株式の歴史です。

長期積立なら「高値更新後の下落」も恐れない理由

毎月定額を積み立てる「ドルコスト平均法」では、高値で買うときは口数が少なく、安値で買うときは口数が多くなります。これにより、長期では平均取得単価を自然に下げる効果があります。

具体例:

基準価額投資額購入口数
1月(高値)30,000円30,000円1口
2月(下落)24,000円30,000円1.25口
3月(回復)27,000円30,000円1.11口
合計90,000円3.36口(平均取得単価26,786円)

高値の30,000円に対して、平均取得単価は26,786円。定期的に積み立てるだけで、自動的に平均コストを下げられるのです。

高値圏で積立を止めた場合のリスク:機会損失の試算

「高値だから6ヶ月間積立を止める」という判断をした場合の機会損失を試算してみます。月3万円積立・年率7%リターン想定。

戦略30年後の資産差額
毎月3万円・30年間継続約3,609万円基準
1年間停止(0円×12ヶ月)→ 残り29年継続約3,417万円▲192万円
2年間停止→ 残り28年継続約3,235万円▲374万円

「高値だから1年間止める」だけで、30年後の資産が約192万円減る計算です。積立の停止は、見えにくいが確実に発生するコストです。

Yuzurihaの判断:高値圏でも積立継続が正解な理由

私は2020年の積立開始以来、相場がどんな状況でも積立設定を変えたことは一度もありません。

2021年末〜2022年、世界株式が大きく下落した局面でも積立を継続しました。その結果、安値で口数を大量に積み増すことができ、2023年〜2024年の回復相場で大きな恩恵を受けました。

高値圏だからといって積立を止めることは、「今が高いか安いかを毎回判断する」ということです。これはプロのファンドマネージャーでも難しい判断です。普通の会社員が副業として投資する場合、「判断しないこと」が最善策だと、6年間の経験を通じて確信しています。

積立継続を支える考え方:

  • 「今が高値かどうか」より「10年後・20年後に世界経済は今より大きくなっているか」を考える
  • 世界経済は過去200年以上、長期トレンドとして成長し続けている
  • 高値更新を繰り返しながら上がっていくのが株式市場の本質
  • 定額積立は「市場予測」が不要な仕組みになっている

よくある質問(FAQ)

Q. 高値圏のオルカンを今から買い始めても遅くないですか?

A. 遅くありません。今日が一番若い日であり、長期投資を始めるのに「遅すぎる」タイミングはありません。10年・20年という視点では、今の価格が高いか安いかは微差になります。まず小額でも始めることを優先してください。

Q. 暴落に備えて現金を多めにしておくべきでは?

A. 生活防衛資金(3〜6ヶ月分の生活費)は現金で確保するのが原則です。それ以上の余剰資金については、現金のまま保有するより長期投資に充てた方が期待リターンは高いです。「現金の比率を高める」は、暴落への備えではなく機会損失を生む行動です。

Q. オルカンが高値のときは、S&P500など別の商品に乗り換えた方がいい?

A. 不要です。オルカンは全世界株式のため、どの国・地域が好調でも自動的にその恩恵を受けます。今回のように「米国以外が好調な局面」でも、オルカンなら米国外の恩恵も得られます。乗り換えはコスト(税金・手数料)と判断ミスのリスクを生むだけです。

Q. 積立額を減らすべきですか?

A. 生活に無理のない範囲であれば、積立額を変える必要はありません。ただし、相場の高低に関わらず「変えない」ことを意識するのが重要です。高値だから減らす・暴落時だから増やすという行動は、結果的に高値掴みを繰り返すことになります。

まとめ:高値圏でもオルカン積立を継続する理由

疑問答え理由
高値圏で積立継続すべきか継続が正解過去データでは高値更新後も上昇継続の傾向
暴落待ちで一括購入が得か通常は損待機期間の機会損失が大きい
積立を一時停止すべきか不要停止期間の欠落は30年後に数百万円の差になる
高値圏でのリスクは短期的下落リスク3〜5年スパンでは回復・高値更新が歴史的傾向

MSCI ACWIが高値圏にある現在も、長期のオルカン積立家が取るべき行動は「設定を変えずに積立継続」です。これが過去の市場データと長期投資の理論が一致して導き出す答えです。

相場の高低を気にするよりも、自分の積立設定を粛々と続けること——これが資産形成の最短ルートです。

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※ 本記事は特定の投資商品の購入を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。記事内のデータは執筆時点(2026年6月)のものです。