「オルカンって、いつから始まったの?」「なぜこんなに人気になったの?」——そう疑問に思っている方は多いはずです。

結論から言います。eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)は2018年10月31日に設立され、わずか7年余りで純資産残高12兆円超を達成した、日本の投資信託の歴史を塗り替えた伝説的ファンドです。

その裏には、信託報酬を何度も引き下げ続けたコスト競争の歴史と、新NISAという追い風があります。この記事では、オルカンの誕生から現在までの軌跡を、数字とともに詳しく解説します。

私Yuzurihaは2020年からオルカン一本で積立を続けており、2026年現在の総資産は約6,000万円に達しています。積立を始める前に「なぜオルカンなのか」を徹底的に調べた経験から、その歴史と強さを余すところなくお伝えします。

eMAXIS Slimシリーズとは何か——低コスト革命の始まり

eMAXIS Slimシリーズは、三菱UFJアセットマネジメントが2017年2月に立ち上げた「業界最低水準のコストを目指す」インデックスファンドのブランドです。

それ以前の日本の投資信託市場は、信託報酬が年0.5〜1.5%程度の商品が主流でした。販売会社(証券会社・銀行)への手数料を優先するあまり、投資家の利益が削られていたのです。

そこに三菱UFJアセットマネジメントが打ち出したのが「業界最低水準の運用コストを、業界最低水準にし続けることを目指す」という強いコミットメントでした。競合他社がコストを下げたら、eMAXIS Slimもそれに追随して引き下げる——この姿勢が投資家から圧倒的な支持を集める原動力となりました。

eMAXIS Slimシリーズの主要ラインナップは以下の通りです。

ファンド名設立日ベンチマーク
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)2017年2月27日TOPIX(配当込み)
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス2017年2月27日MSCI コクサイ インデックス
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)2018年7月3日S&P500指数
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)2018年10月31日MSCI ACWI(全世界株式指数)
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)2017年5月9日8資産均等ブレンド

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)は、このシリーズの中でも「1本で全世界に分散投資できる」という特性から、シリーズの看板商品へと成長しました。

オルカンが設立された2018年——日本の投資信託市場の転換点

2018年は日本の投資信託市場にとって、大きな転換点となった年です。つみたてNISA制度が2018年1月にスタートし、長期・積立・分散投資への注目が一気に高まりました。

つみたてNISA対象ファンドに選ばれるには、金融庁が定める厳しい基準を満たす必要がありました。その基準のひとつが「販売手数料ゼロ(ノーロード)」と「信託報酬の上限」です。この制度設計が、低コストファンドの普及を強力に後押ししました。

2018年10月31日——オルカン誕生の日

こうした市場環境を受けて、2018年10月31日、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が設立されました。ハロウィンの日に誕生したため、投資家の間では親しみを込めて「ハロウィン誕生のファンド」とも呼ばれます。

設立当初の主なスペックは以下の通りです。

項目設立時(2018年10月)
設立日2018年10月31日
信託報酬(税込)年0.1296%
ベンチマークMSCI ACWI(円換算・配当込み)
販売手数料ゼロ(ノーロード)
信託財産留保額なし
運用会社三菱UFJアセットマネジメント

設立当初の信託報酬は年0.1296%でした。当時の水準では十分低コストでしたが、ここからさらに引き下げが繰り返されることになります。

MSCI ACWIとは——世界2,900銘柄への一括投資

オルカンが連動を目指すMSCI ACWIは、「Morgan Stanley Capital International All Country World Index」の略称です。先進国23カ国・新興国24カ国の計47カ国、約2,900銘柄を時価総額比率で組み入れた指数で、世界の株式市場の約85%をカバーしています。

オルカン1本を保有するだけで、米国のApple・Microsoft・AmazonはもちろんのことEU・日本・中国・インドなど全世界の優良企業に自動的に分散投資できます。これがオルカンの最大の魅力です。

設立から現在まで——純資産・基準価額の驚異的な成長軌跡

オルカンの純資産残高は、設立からわずか7年で約12兆円を超え、日本の公募株式投資信託の中でトップクラスへと成長しました。この成長速度は、日本の投資信託の歴史上、類を見ないものです。

時期純資産残高(概算)主な出来事
2018年10月(設立時)約5億円設立。信託報酬0.1296%でスタート
2019年末約100億円つみたてNISA利用者の増加
2020年末約1,000億円コロナ禍での投資ブーム。私Yuzurihaの積立開始
2021年末約5,000億円世界株高・信託報酬を0.1144%に引き下げ
2022年末約8,000億円世界的な金利上昇局面でも積立継続者が多数
2023年末約2兆円NISA改正への期待感から資金流入加速
2024年1月約3兆円超新NISA開始。爆発的な資金流入
2025年末約10兆円超純資産残高が国内最大水準へ
2026年6月(現在)約12兆円超日本最大の株式投資信託に成長

基準価額(1万口あたりの値段)の推移も目覚ましいものがあります。設立時に1万円だった基準価額は、世界株式市場の上昇に乗って2026年6月時点で約3万円台前半に達しています。つまり、設立時に投資した方は元本が約3倍以上になっている計算です(分配金再投資ベース)。

私Yuzurihaが積立を始めた2020年は、ちょうどコロナショックで世界が揺れていた時期です。基準価額が大きく下落した局面でも積立を継続したことが、その後の回復・上昇局面で大きなリターンをもたらしました。

オルカンが選ばれ続ける理由——信託報酬の歴史的引き下げ

オルカンが投資家から絶大な支持を受け続ける最大の理由は、「信託報酬を何度も引き下げてきた実績」です。設立時の0.1296%から現在の0.05775%まで、引き下げの歴史を振り返ります。

時期信託報酬(税込)引き下げの背景
2018年10月(設立時)年0.1296%設立時の水準
2019年10月年0.1144%競合ファンドへの対抗引き下げ
2020年9月年0.1144%維持(競合が先行して引き下げ)
2021年9月年0.1144%SBI・Vシリーズ登場で競争激化
2023年9月年0.05775%大幅引き下げ。業界最低水準を奪還

2023年9月の引き下げは特に注目を集めました。信託報酬を一気に約半分の年0.05775%に引き下げ、競合ファンドを大幅に下回る水準を実現したのです。

信託報酬の差は30年でどれだけ影響するか

「0.05775%なんて小さな数字でしょ」と思うかもしれません。しかし長期投資では、この差が驚くほど大きな金額の差を生みます。

月3万円を年率7%で30年積み立てた場合の試算です。

信託報酬30年後の資産(概算)コスト相当額
年0.05775%(オルカン現在)約3,580万円約17万円
年0.50%約3,380万円約200万円
年1.00%約3,180万円約400万円
年1.50%(昔の主流)約2,990万円約590万円

信託報酬が年1.50%の旧来型ファンドと比較すると、30年間でおよそ590万円の差が生まれます。「コストは確実に支払うもの、リターンは不確実」——これが低コストファンドが重要な理由です。

私Yuzurihaが2020年にオルカンを選んだ理由のひとつが、まさにこのコストの低さでした。6年間積み立て続けた結果、コスト面での優位性が複利とともに着実に積み重なっていると実感しています。

オルカン vs 競合ファンドの歴史的比較

オルカンの歴史を語る上で欠かせないのが、競合ファンドとのコスト競争の歴史です。特に重要な競合として、SBI・Vシリーズの「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま)」と、楽天証券の「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」が挙げられます。

ファンド名設立日現在の信託報酬ベンチマーク純資産(2026年6月概算)
eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)2018年10月31日年0.05775%MSCI ACWI約12兆円超
楽天・全世界株式インデックス・ファンド2017年9月29日年0.192%程度FTSE Global All Cap約5,000億円程度
SBI・全世界株式インデックス(雪だるま)2017年12月6日年0.1022%程度FTSE Global All Cap約2,500億円程度

設立はオルカンよりも楽天・全世界株式のほうが1年早いですが、純資産残高ではオルカンが圧倒的な差をつけています。その最大の理由は信託報酬の低さと、継続的な引き下げへのコミットメントです。

MSCI ACWIとFTSE Global All Capの違い

競合との比較でよく話題になるのが、ベンチマーク指数の違いです。

指数採用銘柄数小型株採用ファンド
MSCI ACWI約2,900銘柄含まない(大型・中型株のみ)オルカン
FTSE Global All Cap約9,800銘柄含む楽天・全世界株式、雪だるま

FTSE Global All Capのほうが銘柄数は多いですが、小型株は価格変動が大きく、追加コストがかかる面もあります。長期的なリターンの差は実績上ほとんどなく、実質的にどちらを選んでも「全世界に分散投資できる」という本質は変わりません。重要なのは信託報酬の低さと継続的な積立です。

2024年新NISA以降の急成長——資金流入が加速した理由

2024年1月の新NISA開始は、オルカンの歴史における最大の転換点となりました。従来のNISAから大幅に拡充された新NISAは、オルカンへの資金流入を爆発的に加速させました。

新NISAの概要——旧NISAとの比較

項目旧つみたてNISA新NISA(2024年〜)
年間投資枠(積立)40万円120万円
年間投資枠(成長投資)なし(一般NISAは120万円)240万円
年間合計上限40万円360万円
非課税保有限度額累計800万円1,800万円
非課税期間20年無期限
口座開設期限2023年末で終了恒久化

新NISAでは非課税枠が旧つみたてNISAの約4.5倍(累計1,800万円)に拡充されました。また非課税期間が無期限となり、「長期・積立・分散」という投資の王道がより実践しやすくなりました。

2024年1月の衝撃——オルカンへの資金集中

2024年1月は新NISA開始月として、日本の投資信託市場に空前の盛り上がりをもたらしました。各証券会社の月次レポートによると、新NISAの積立設定ランキングでオルカンは全証券会社でほぼ1位を獲得しました。

資金流入が集中した背景には以下の理由があります。

  • 「新NISAはオルカン一本で十分」という情報がSNS・YouTube・ブログで拡散
  • 2023年の信託報酬引き下げ(0.05775%)でコスト面の優位性が際立った
  • 純資産残高の大きさが「安心感」「信頼性」として認知された
  • つみたてNISA対象ファンドとしての実績(5年以上の運用歴)

私Yuzurihaも2024年から新NISAでの積立をフル活用しています。毎月10万円の積立設定(つみたて投資枠)を行い、成長投資枠は一括投資に活用しています。新NISAの非課税メリットを最大化するために、オルカン1本に集中させる戦略を選びました。

2025〜2026年——さらなる成長と課題

2025年に入っても純資産残高の増加は続き、2026年6月現在で約12兆円を超えています。一方で、ファンドの巨大化に伴う懸念も一部では語られています。

ただし、インデックスファンドの構造上、純資産が増えても運用効率への悪影響は限定的です。むしろ規模が大きくなることで、運用コストの固定費が薄まり、さらなる信託報酬の引き下げ余地が生まれる可能性もあります。

よくある質問(FAQ)

Q. オルカンはいつから買えますか?

A. 今すぐ始められます。SBI証券・楽天証券・マネックス証券など主要ネット証券で購入可能で、100円から積立設定できます。新NISAのつみたて投資枠対象ファンドに認定されているため、非課税で運用できます。詳しい購入手順はオルカン完全ガイドをご覧ください。

Q. オルカンの設立日はいつですか?

A. 2018年10月31日です。ちょうどハロウィンの日に設立されたため、投資家の間では「ハロウィン誕生のファンド」とも呼ばれています。設立から約7年で純資産12兆円超を達成しました。

Q. 信託報酬はこれ以上下がりますか?

A. 可能性はあります。三菱UFJアセットマネジメントは「業界最低水準を目指し続ける」とコミットしており、競合が信託報酬を下げた場合は追随する可能性があります。現在の0.05775%はすでに世界的に見ても最低水準クラスですが、ファンドの規模拡大によってコスト削減の余地が生まれることも考えられます。

Q. オルカンとS&P500はどちらがいいですか?

A. どちらも優れたファンドですが、分散の広さでオルカンが有利です。S&P500は米国株のみ約500銘柄、オルカンは全世界約2,900銘柄に分散されます。過去10〜20年は米国株が好調だったためS&P500のリターンが上回りましたが、将来も同様とは限りません。「どの国が伸びるかわからないから全世界に分散したい」という方はオルカン、「米国経済を信じる」という方はS&P500が向いています。

Q. 暴落時はどうすればいいですか?

A. 積立を続けることが最善策です。私Yuzurihaは2022年の世界的な株安でオルカンの含み損が一時200万円を超えましたが、積立を止めずに継続しました。結果として2023〜2024年の回復局面で大きくリターンが改善しました。暴落時こそ「同じ金額でより多くの口数を買える」チャンスです。

Q. オルカンに分配金はありますか?

A. 原則として分配金は出ません。オルカンは「無分配型」のファンドで、得られた配当・利益は自動的に再投資されます。これにより複利効果が最大化され、税金の繰り延べ効果も得られます。分配金が出るファンドより長期的に有利な設計です。

まとめ——オルカンは「歴史が証明した最良の選択肢」

項目内容
設立日2018年10月31日(ハロウィン誕生)
設立時の信託報酬年0.1296%
現在の信託報酬年0.05775%(2023年9月〜)
ベンチマークMSCI ACWI(全世界約2,900銘柄)
現在の純資産残高約12兆円超(2026年6月)
設立時比較の基準価額設立時1万円→2026年現在3万円台前半
新NISA対象つみたて投資枠・成長投資枠ともに対象
最低積立額100円〜(証券会社による)

オルカンは2018年10月31日の誕生から、信託報酬の継続的な引き下げと、投資家への誠実なコミットメントによって、純資産12兆円超という日本の投資信託の歴史を塗り替える存在になりました。

その歴史が示すのは「低コストで全世界に分散投資し、長期で積み立て続ける」という投資の王道が、いかに強力かということです。

私Yuzurihaは2020年から6年間、オルカン一本の積立を続けています。コロナショックの暴落も、2022年の金利上昇局面も、すべて乗り越えて今があります。オルカンの歴史を信じ、複利の力を信じて、今日から積立を始めることが最善の行動です。

まずは100円から始めてみましょう。行動が資産形成の第一歩です。

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【免責事項】本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。過去の運用実績は将来のリターンを保証するものではありません。