この記事の結論

2026年5月末、オルカンの純資産総額が12.2兆円に達し、S&P500(11.9兆円)を初めて逆転しました。リターンでも2025年にオルカンがS&P500を上回り、「米国集中 vs 世界分散」の論争に変化が起きています。ただし、これは「オルカンが正解だった」という意味ではありません。この記事ではデータで両者を比較し、投資家として何をすべきかを解説します。

※この記事は2026年6月時点の情報に基づいています。

「オルカンがS&P500を抜いた」——2026年6月、投資界隈で大きな話題になったこのニュース。でも、数字の裏側を理解しないまま「やっぱりオルカンが正解だった」と結論づけるのは危険です。

私は2020年からオルカンの積立を続けており、個別株や現金を含めた総資産は約6,000万円です。S&P500ではなくオルカンを選んだ立場から、この逆転劇をデータで読み解きます。

オルカン vs S&P500|2026年6月の最新データ

純資産総額の推移(2024年〜2026年)

時期オルカンSlim S&P500
2024年1月(新NISA開始)約2.3兆円約3.2兆円S&P500が優勢
2025年3月約8兆円約8.5兆円ほぼ拮抗
2026年3月約11兆円約11兆円並ぶ
2026年5月末約12.2兆円約11.9兆円オルカンが逆転

新NISA開始時にはS&P500が約1兆円リードしていましたが、わずか2年半で逆転しました。オルカンの純資産は2年で約5倍に成長しています。

直近1年のリターン比較

2025年は、歴史的にも珍しくオルカンがS&P500を上回った年でした。

期間オルカンS&P500勝者
2024年(年間)+33%+38%S&P500
2025年(年間)+12%+8%オルカン
2026年YTD(〜6月)+10%+8%オルカン

※円建てリターン概算。為替変動を含む。出典:各種証券会社の公開データより。

2010年代はS&P500の圧勝でしたが、2025年以降はオルカンが優勢です。ただし、これが「永久に続く」とは限りません。

コスト(信託報酬・実質コスト)比較

項目オルカンSlim S&P500
信託報酬(税込)0.05775%0.08140%
実質コスト約0.11%約0.09%
購入手数料0円0円
売却手数料0円0円

信託報酬はオルカンの方が安いですが、実質コストはS&P500の方がわずかに低い。ただし差は0.02%程度であり、年間100万円の投資で約200円の差です。コストで選ぶ理由はほぼありません

なぜ逆転が起きたのか?3つの構造変化

1. 米国一極集中から世界分散への資金シフト

新NISA開始直後の2024年は「とにかくS&P500」という空気がありました。しかし2025年のトランプ関税ショックで米国株が急落し、「米国だけに賭けるリスク」を多くの投資家が体感しました。その結果、2026年に入ってオルカンへの資金流入が加速しています。

2. 新NISA投資家の成熟

2024年に新NISAで投資を始めた人が2年目に入り、「S&P500とオルカンの違い」を理解し始めました。「なんとなくS&P500」から「理解した上でオルカン」へシフトする投資家が増えています。

3. 為替トレンドの変化

2026年はドル安(円高)トレンドが続いています。米国株ファンドはドル安で円建てリターンが目減りしますが、オルカンは欧州やアジアの通貨分散が効くため、為替の影響が分散されるメリットがあります。

それでもS&P500が有利な場面もある

「オルカンが逆転した」からといって、S&P500が劣っているわけではありません。

  • 米国経済が好調な時期(2010年代のように)はS&P500の方がリターンが高い
  • 円安トレンドの時期はドル建て資産が多いS&P500が有利
  • 過去30年のトータルリターンではS&P500がオルカンを上回っている

今回の逆転は「オルカンの勝利」ではなく、「分散投資が報われる局面が来た」ということです。次の10年で再びS&P500が優勢になる可能性も十分あります。

タイプ別:どちらを選ぶべきか

20〜30年の長期投資なら → オルカン

20年以上の長期投資なら、世界経済全体の成長に乗るオルカンが合理的です。米国が今後も最強であり続ける保証はなく、30年前に「日本株だけ」を選んでいたら悲惨な結果になっていました。

米国経済の成長に賭けたいなら → S&P500

「テクノロジー企業の革新力は米国が圧倒的」と確信があるなら、S&P500を選ぶ合理性はあります。実際、GAFAM+NVIDIAの時価総額は全世界の2割を占めています。

迷うなら → オルカン一本

「どっちがいいかわからない」なら、オルカンを選んでください。オルカンには米国株が約60%含まれているため、米国の成長も取り込めます。迷った時間と判断コストを考えれば、オルカン一本が最も合理的な選択です。

私が6年前にオルカンを選んだ理由と現在の結果

私は2020年にオルカン積立を始めました。当時もS&P500の方がリターンが高いと言われていましたが、以下の理由でオルカンを選びました。

  1. 「米国が最強」が永遠に続く保証はない — 1989年は日本株が世界一だった
  2. 判断を減らしたい — 国や地域の比率をMSCIに任せて、自分は積立だけに集中
  3. 「間違えても大丈夫」な選択肢 — 世界全体が成長しない未来はどの投資も失敗する

結果として、2026年6月現在のオルカン単体の含み益は1,400万円を超えました。2022年の世界株安で含み損200万円を経験しましたが、積立を止めなかったことが大きかったと感じています。

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よくある質問(FAQ)

Q. S&P500からオルカンに乗り換えるべき?

「逆転したから乗り換える」のは推奨しません。売却時に税金がかかりますし、来年また逆転する可能性もあります。今からの新規積立をオルカンにするか、追加でオルカンを積み立てるのが合理的です。

Q. 両方持つのはアリ?

悪くはありませんが、オルカンに米国株が約60%含まれているため、S&P500と併せ持つと米国株に偏重します。「オルカン+S&P500」より「オルカン一本」の方がシンプルで分散効果が高いです。

Q. この逆転は一時的?それとも続く?

誰にもわかりません。過去10年はS&P500優勢、2025年以降はオルカン優勢という事実があるだけです。だからこそ「どちらが勝つかわからない」前提で全世界に分散するオルカンが、長期投資では合理的なのです。

まとめ|逆転の本質は「分散投資の再評価」

オルカンの純資産がS&P500を逆転したこと自体は、投資判断を変える理由にはなりません。重要なのは以下の3点です。

  • 米国集中リスクが現実になった — 2025年のトランプ関税ショックで多くの投資家が体感
  • 分散投資が「守り」だけでなく「攻め」にもなった — 欧州・アジアの株価回復でリターンも逆転
  • どちらが正解かは時期による — だからこそ「世界全体に賭ける」オルカンが長期では合理的

すでにS&P500で積立中の人は、慌てて乗り換える必要はありません。新規で始める人、迷っている人は、オルカン一本が最もシンプルで合理的な選択です。

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※この記事の情報は2026年6月時点のものです。リターンの数値は概算であり、実際の運用成績とは異なる場合があります。投資は元本保証がなく、自己責任で行ってください。

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Yuzuriha
2020年よりeMAXIS Slim全世界株式(オルカン)一本での積立を継続。現在の総資産は約6,000万円(2026年時点)。2022年の世界株安で一時▲200万円の含み損を経験しながらも積立を止めず、2024年に大きく回復。「シンプルなインデックス投資で確実に資産形成できることを証明する」をテーマに発信中。本ブログの全記事は6年間の投資実績をもとに執筆しています。投資の知識だけでなく、実際に経験した暴落・回復の心理面も正直に伝えることを大切にしています。