新NISA成長投資枠のおすすめ銘柄5選【オルカン投資家が実践する使い方戦略】

「新NISAの成長投資枠って、何を買えばいいの?」と迷っている方は多いはずです。積立投資枠との違いもよくわからないまま、個別株や高配当ETFに手を出して失敗するケースも少なくありません。
結論からお伝えします。成長投資枠の「正解」は、積立投資枠と同じ——eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)を買い続けることです。余裕があれば個別株やETFを追加する形が理想ですが、まず基本はオルカン一択です。
私Yuzurihaは2020年から新NISAの前身であるつみたてNISA・旧NISAでオルカンを積み立て続け、現在の総資産は約6,000万円に達しました。成長投資枠についても実際に運用している経験をもとに、おすすめファンド5選と使い方戦略を徹底解説します。
成長投資枠とは?積立投資枠との違い
新NISAは2024年から始まった制度で、「積立投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が用意されています。まず両者の違いをテーブルで整理しましょう。
| 項目 | 積立投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資上限 | 120万円 | 240万円 |
| 生涯投資枠 | 1,800万円(成長枠と合算) | 1,200万円(上限) |
| 買える商品 | 金融庁指定の投資信託・ETFのみ | 投資信託・ETF・個別株・REIT等 |
| 買い方 | 積立購入のみ | 一括・積立どちらも可 |
| 対象ファンド数 | 約300本(2025年時点) | 約2,000本以上 |
| 非課税期間 | 無期限 | 無期限 |
最大のポイントは、成長投資枠は年間240万円まで投資でき、個別株や幅広い投資信託も購入できるという点です。積立投資枠と合わせると年間360万円、生涯で最大1,800万円まで非課税で運用できます。
ただし「買える商品が多い=何を買っても良い」ではありません。選択肢が広いからこそ、何を買うかが重要になります。
成長投資枠のおすすめファンド5選
長期の資産形成を目的とするなら、低コストのインデックスファンドが成長投資枠でも最適解です。以下の5本を実績・コスト・分散性の観点から解説します。なお、これはあくまで情報提供であり、最終的な投資判断はご自身でお願いします。
①eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)——王道の一択
成長投資枠でも最もおすすめできるのが、eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) |
| 運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
| 信託報酬 | 年0.05775%(業界最低水準) |
| 純資産総額 | 約12兆円超(2025年時点) |
| 連動指数 | MSCI ACWI(全世界約2,900銘柄) |
| 新NISA対応 | 積立投資枠・成長投資枠どちらでも購入可 |
オルカンは先進国23カ国・新興国24カ国の約2,900銘柄に分散投資できます。月3万円を30年間積み立てると、年率7%想定で約3,600万円になる計算です(元本1,080万円)。
信託報酬は年0.05775%と極めて低コストで、月3万円の積立なら年間のコストはわずか約175円。長期投資においてコストの差は複利で大きく広がるため、この低コスト性は非常に重要です。
成長投資枠では一括購入も可能なため、まとまった資金が手元にある場合も、オルカンの一括投資が最もシンプルで合理的な選択肢の一つです。
②eMAXIS Slim米国株式(S&P500)——米国集中派向け
「米国経済に集中投資したい」という方には、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が選択肢になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) |
| 運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
| 信託報酬 | 年0.09372% |
| 純資産総額 | 約10兆円超(2025年時点) |
| 連動指数 | S&P500(米国大型株500銘柄) |
| 新NISA対応 | 積立投資枠・成長投資枠どちらでも購入可 |
S&P500はアップル・マイクロソフト・エヌビディアなど米国を代表する500社に投資します。過去20年間の年率リターンは約10〜11%と、オルカンを上回る実績があります。
ただし、米国1国への集中投資というリスクは理解しておく必要があります。オルカンと比較すると、新興国・欧州・日本などへの分散が薄くなります。「米国の成長を信じる」という明確な考えがある方向けの選択肢です。
③eMAXIS Slim先進国株式インデックス——新興国を除いたバランス型
「新興国のリスクは取りたくないが、米国だけでは怖い」という方に向いているのがeMAXIS Slim先進国株式インデックスです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス |
| 運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
| 信託報酬 | 年0.09889% |
| 純資産総額 | 約1.3兆円(2025年時点) |
| 連動指数 | MSCIコクサイ(日本除く先進国22カ国) |
| 新NISA対応 | 積立投資枠・成長投資枠どちらでも購入可 |
MSCIコクサイは日本を除く先進国22カ国・約1,300銘柄に投資します。構成比率は米国が約70%を占めますが、欧州・カナダ・オーストラリアなどにも分散されています。
新興国の政治リスクや通貨リスクを避けながら、先進国経済の成長を取りに行きたい方に適しています。ただしオルカンと比較すると、将来の高成長が期待される新興国(インド・ブラジル等)への投資機会を逃す可能性もあります。
④ニッセイ・世界株式ファンド(GDP型バスケット)——オルカン代替候補
オルカンと似た全世界分散でありながら、異なるアプローチを取るのがニッセイ・世界株式ファンド(GDP型バスケット)です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | ニッセイ・世界株式ファンド(GDP型バスケット) |
| 運用会社 | ニッセイアセットマネジメント |
| 信託報酬 | 年0.1133% |
| 特徴 | GDPに比例して各国への配分を決定 |
| 新NISA対応 | 成長投資枠のみ対応(積立投資枠は対象外) |
オルカンは時価総額加重のため米国比率が約60%を占めますが、このファンドはGDP(国内総生産)に基づいて配分するため、中国・インド・ブラジルなど新興国への配分が相対的に高くなります。
「米国への偏りを減らしたい」「新興国の経済成長をより多く取り込みたい」という考え方に合うファンドです。ただし積立投資枠では買えないため、成長投資枠専用の選択肢という点に注意が必要です。
⑤SBI・V・全米株式インデックス・ファンド——米国全体に低コストで投資
S&P500の500銘柄ではなく、米国株式市場全体(約4,000銘柄)に投資したい方には、SBI・V・全米株式インデックス・ファンドが選択肢になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | SBI・V・全米株式インデックス・ファンド |
| 運用会社 | SBIアセットマネジメント |
| 信託報酬 | 年0.0938%程度 |
| 連動指数 | CRSP USトータル・マーケット・インデックス |
| 実質投資先 | バンガード社のVTI(ETF)を通じて投資 |
| 新NISA対応 | 積立投資枠・成長投資枠どちらでも購入可 |
S&P500が大型株中心なのに対し、このファンドは中小型株も含む米国株式市場全体をカバーします。将来の「次のアップル」になりうる中小企業にも少額ながら投資できるのが特徴です。
バンガード社の運用するVTIを通じて投資するため、低コスト性と運用の透明性が高い点も評価されています。S&P500と実質的なパフォーマンス差は小さいですが、「米国全体をカバーしたい」という考え方の方に向いています。
成長投資枠で個別株・ETFを買う場合の注意点
成長投資枠では個別株やETFも購入できます。しかし、「買える=買うべき」ではありません。いくつかの重要な注意点を確認しておきましょう。
分散効果が失われるリスク
個別株投資は1〜数社への集中投資になります。オルカンの約2,900銘柄分散と比べると、1社の業績悪化が資産全体に大きな影響を与えるリスクがあります。
たとえば2022年のメタ(旧Facebook)は年間で約65%下落しました。仮に成長投資枠の全額を個別株1本に集中させていた場合、非課税枠を最大限活用できたとしても大きな損失を被ることになります。
個別株を検討する場合は、成長投資枠全体の20〜30%以内に抑え、残りはインデックスファンドで分散するという方針が現実的です。
高配当株ETF(VYM・HDV等)は成長投資枠向きか?
「成長投資枠は非課税だから高配当ETFを買って配当を非課税で受け取ろう」という考えはよく聞きます。ただし、いくつかの落とし穴があります。
まず、VYM・HDV・SPYDなどの米国ETFは現地(米国)で10%の課税が発生します。NISAの非課税は日本の税金(20.315%)が免除されるものであり、米国源泉税は控除されません。
次に、高配当戦略は「配当を受け取って再投資する」手間が発生し、複利効果の観点では自動的に再投資されるインデックスファンドに劣る場合があります。
高配当ETFを完全に否定するものではありませんが、目的と仕組みをしっかり理解したうえで検討することが重要です。
積立投資枠と成長投資枠の使い分け戦略
2つの枠をどう使い分けるか、代表的な3つのパターンを紹介します。
| パターン | 積立投資枠 | 成長投資枠 | こんな人に向く |
|---|---|---|---|
| パターン1 | オルカン(月10万円) | オルカン(一括・追加積立) | シンプルさ重視・迷いたくない人 |
| パターン2 | オルカン(月10万円) | S&P500または米国個別株 | 米国比率を高めたい人 |
| パターン3 | オルカン(月10万円) | 高配当ETF(国内) | 配当収入も一部欲しい人 |
パターン1:両枠ともオルカン(最もシンプル)
最もシンプルで、かつ長期的に見て合理的な戦略です。積立投資枠で月10万円のオルカンを積み立てながら、成長投資枠でもオルカンを一括購入・追加積立する形です。
管理する銘柄が1本だけなので、確認作業も最小限で済みます。「何を考えずに投資を続けたい」「余計な判断を排除したい」という方には最も向いているパターンです。
パターン2:積立はオルカン、成長は個別株・別ファンド
積立投資枠でオルカンを積み立てつつ、成長投資枠では個別株やS&P500などで米国比率を高める戦略です。
ただし「オルカンにS&P500を追加する」と、実質的に米国への二重投資になる点は意識しておく必要があります。オルカンにはすでに米国株が約60%含まれているため、S&P500を追加すると米国比率がさらに高まります。これが自分の意図と合っているかどうか、確認しておきましょう。
Yuzurihaの成長投資枠の使い方
参考までに、私自身の成長投資枠の使い方をお伝えします。
私Yuzurihaは2020年からオルカン一本で積立を続け、現在の総資産は約6,000万円です。新NISAが始まった2024年からは、積立投資枠(月10万円)も成長投資枠も、ともにオルカン一択にしています。
以前は「成長投資枠では個別株を試してみようか」と考えた時期もありました。しかし2022年の世界株安で一時的に含み損が約200万円を超えた経験から、分散されたインデックスファンドの安心感を改めて実感しました。あの時期、個別株を持っていたら精神的にもっと消耗していたはずです。
オルカンを選んでいる理由はシンプルです。「どの国・どの企業が将来伸びるかわからない。ならば全世界に分散して、世界経済の成長をまるごと取りに行く」という考え方です。この方針は2024年・2025年も変わっていません。
もちろん、個別株や他のファンドが自分に合っている方もいます。大切なのは「なぜその商品を選ぶのか」を自分の言葉で説明できることだと感じています。
よくある質問(FAQ)
Q. 成長投資枠だけ使って積立投資枠は使わなくてもいいですか?
A. 可能です。成長投資枠でオルカン等のインデックスファンドを積立設定すれば、実質的に積立投資枠と同じ運用ができます。ただし生涯投資枠の上限が成長投資枠は1,200万円のため、1,800万円をフル活用したい場合は積立投資枠(上限なし側の600万円分)も使うことをおすすめします。
Q. 成長投資枠で一括投資しても大丈夫ですか?
A. 長期目的であれば一括投資も選択肢の一つです。ただし投資直後に相場が下落すると含み損が大きくなる心理的リスクがあります。不安な方は3〜6ヶ月に分けて分割購入する方法も検討してみてください。どちらが「正解」かは個人の性格や資金状況によって異なります。
Q. 成長投資枠で損失が出た場合、損益通算はできますか?
A. NISA口座内の損失は、課税口座(特定口座・一般口座)の利益と損益通算することができません。これはNISAの非課税メリットの裏側にある制約です。NISA内での損失は他の利益と相殺できないため、長期で保有し利益を出すことを前提に運用しましょう。
Q. 成長投資枠でREIT(不動産投資信託)を買うのはどうですか?
A. REITは成長投資枠で購入可能で、配当(分配金)が高い傾向にあります。ただし金利上昇局面では価格が下落しやすい特性があり、株式インデックスファンドと異なるリスク特性を持ちます。REITに興味がある場合は、まずJ-REIT ETFや国内リートインデックスファンドで少額から試してみることをおすすめします。
まとめ:成長投資枠の正解はシンプルなほど強い
| ファンド名 | 信託報酬 | 特徴 | こんな人に |
|---|---|---|---|
| eMAXIS Slim全世界株式(オルカン) | 0.05775% | 全世界2,900銘柄・最低コスト | 迷ったらこれ一択 |
| eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 0.09372% | 米国大型株500銘柄 | 米国集中で高リターンを狙う人 |
| eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 0.09889% | 先進国22カ国・新興国除く | 新興国リスクを避けたい人 |
| ニッセイ・世界株式ファンド(GDP型) | 0.1133% | GDP比率で各国配分 | 新興国比率を高めたい人 |
| SBI・V・全米株式インデックス | 0.0938%程度 | 米国全体4,000銘柄 | 米国中小株も含めたい人 |
成長投資枠は年間240万円まで投資でき、個別株・ETF・幅広いファンドが購入できる自由度の高い枠です。しかし「自由度が高い=複雑なことをすべき」ではありません。
長期の資産形成において最も重要なのは、低コストで分散されたファンドを長期保有し続けることです。迷ったときはオルカン一本に立ち返る——これが私の6年間の運用経験から出た結論です。
まずは自分の目的(資産形成・配当収入・米国集中など)を明確にして、それに合ったファンドを選んでみてください。小さな一歩が、10年後・20年後の大きな差につながります。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の投資商品を推奨するものではありません。投資は自己責任のもとで行ってください。将来の運用成績は過去の実績を保証するものではありません。















