オルカンが暴落したらどうする?正しい対処法5選【売るのはNG】
「オルカンが暴落している。このまま持っていていいのか?売ったほうがいいのか?」
こう不安に感じた方に、最初に答えを伝えます。暴落時に正しい対処法は、「何もしないこと」です。より正確に言えば、「積立を止めず、淡々と続けること」が正解です。
なぜそう言い切れるのか。それは過去の暴落データが証明しています。リーマンショック・コロナショック・2022年の世界株安、いずれの暴落後もオルカンは最高値を更新してきました。暴落のたびに売った人は損失を確定し、持ち続けた人は資産を大きく増やしました。
私Yuzurihaは2020年からオルカンを積み立て続け、2022年には含み損が▲200万円を超えました。それでも積立を止めなかった結果、2026年現在の総資産は約6,000万円に達しています。この記事では、暴落時に感情に流されず正しい行動を取るための知識と、私自身の実体験をお伝えします。
オルカンの過去の主要暴落と回復速度
暴落が怖いのは、「このまま戻らないかもしれない」という恐怖があるからです。しかし歴史を見れば、その答えは明確です。オルカン(全世界株式)は過去のあらゆる暴落から回復し、必ず最高値を更新してきました。
以下の表を見てください。過去30年間の主な暴落と、その後の回復までの期間をまとめました。
| 暴落イベント | 最大下落率 | 回復期間の目安 | 教訓 |
|---|---|---|---|
| ITバブル崩壊(2000〜2002年) | 約▲47% | 約6年 | 長期保有で回復 |
| リーマンショック(2008〜2009年) | 約▲58% | 約5〜6年 | 最大の暴落も回復 |
| コロナショック(2020年3月) | 約▲35% | 約6ヶ月 | V字回復の典型例 |
| 2022年世界株安 | 約▲25% | 約1年(2023年回復) | 1年待てば回復 |
注目してほしいのは、最も深刻だったリーマンショック(▲58%)でさえ、5〜6年で完全に回復したという事実です。資産が半分になっても、売らずに持ち続けた人は取り戻せました。売った人だけが、損失を確定させたのです。
リーマンショック(2008年):最大▲58%でも5年で完全回復
2008年9月のリーマン・ブラザーズ破綻を引き金に、全世界株式は約1年半で最大▲58%の暴落を記録しました。100万円が42万円になる水準です。
しかし2013年には暴落前の水準を完全に超えました。積立を継続していた人は、暴落局面で安く買い続けることができ、回復後の資産は暴落前より大きくなりました。「ドルコスト平均法」の効果が最も発揮された局面です。
コロナショック(2020年3月):▲35%からわずか6ヶ月でV字回復
2020年2〜3月のコロナショックは、わずか1ヶ月で▲35%という急落でした。「世界経済が止まる」という恐怖感から売った人が続出しましたが、2020年9月にはコロナ前の水準を回復。わずか6ヶ月でした。
売った人は6ヶ月間、上昇する相場を指をくわえて見ていることになりました。「また下がってから買おう」と思っていても、相場は待ってくれません。
2022年世界株安:▲25%から2023年に急回復
2022年はFRBの急速な利上げを背景に、全世界株式が約▲25%下落しました。「インフレが止まらない」「景気後退が来る」という悲観論が世界中に溢れました。
しかし2023年には株式市場が力強く反発し、多くの指数が2022年の下落を取り戻しました。この年に積立を止めた人は、2023年の回復を半分しか享受できませんでした。
暴落時にやってはいけないこと:狼狽売りの真実
暴落時に最も多い失敗が「狼狽売り(ろうばい売り)」です。含み損に耐えきれず、感情的に売ってしまう行動のことです。これが長期投資における最大の失敗パターンです。
なぜ狼狽売りがそれほど危険なのか。具体的な数字で見てみましょう。
狼狽売りがどれだけ損をするか:シミュレーション
仮に2020年1月から毎月3万円をオルカンに積み立てていた場合を考えます。
| 行動パターン | 2020年3月(暴落底値)時点 | 2021年末の資産額(概算) |
|---|---|---|
| 積立継続した場合 | 含み損あり(でも継続) | 約+45%の利益 |
| 2020年3月に売った場合 | 損失を確定(▲約15〜20%) | キャッシュのまま=回復の恩恵なし |
売った場合、損失を確定させた上に、その後のV字回復(2020年後半〜2021年の大幅上昇)を完全に逃しました。「安全のために売った」つもりが、実質的に「一番安い時期に売り、回復局面を逃す」という最悪の結果になったのです。
「一番いい日を逃す」コストは想像以上に大きい
投資の世界には「市場から離れているコスト」という概念があります。米国の研究によると、過去20年間で上昇率が高かった上位10日間を逃した投資家は、ずっと保有し続けた投資家の約半分しか資産が増えなかったという結果があります。
そして、株価が最も大きく上昇する日は、暴落の直後に集中しています。暴落中に売って「様子を見ていた」人は、この急回復の日も逃してしまうのです。
「底値で買い直す」は不可能に近い
「いったん売って、もっと下がってから買い直す」と考える方もいます。しかし底値がどこかは、誰にもわかりません。プロの機関投資家でさえ正確に当てることはできません。
底値で買い直すつもりが、さらに下がって再び含み損になる。あるいは「まだ下がるかも」と待っているうちに回復してしまい、結局高値で買い直す羽目になる。これが現実です。
暴落時にやるべきこと5選
暴落時に「やってはいけないこと」がわかったところで、では実際に何をすべきかをお伝えします。以下の5つを実践するだけで、暴落を乗り越える確率が大幅に上がります。
1. 積立を止めない
最も重要なことは「積立を止めないこと」です。暴落中は、オルカンが安く買える状態です。毎月同じ金額を積み立てる「ドルコスト平均法」では、価格が下がれば下がるほど、多くの口数を購入できます。
たとえば基準価額が20,000円から10,000円に半値になった場合、毎月3万円の積立で購入できる口数は2倍になります。暴落は「セール」です。積立を止めることは、セール中に買い物をやめるようなものです。
2. 可能なら積立額を増額する
余裕資金がある場合、暴落局面で積立額を増やすことは非常に有効な戦略です。ただしこれは「余裕資金がある場合のみ」です。生活費や緊急予備資金を削ってまで増額する必要はありません。
ボーナスや使い道が決まっていない余剰資金があれば、暴落時にスポット購入するのが長期的なリターンを高める方法のひとつです。「下がったときに買い増す」という行動は、長期投資家として最も理にかなった対応です。
3. 長期チャートを見る
不安になったとき、1週間・1ヶ月の短期チャートを見ると恐怖が増します。代わりに、20〜30年の長期チャートを見てください。
MSCI ACWIや全世界株式の30年チャートを見ると、過去の暴落(リーマン・コロナ・2022年)がどれも「小さな凹み」にしか見えないことがわかります。現在の暴落も、30年後には同じ「凹み」として見えるはずです。視野を広げることで、感情的な判断を防げます。
4. SNSを見ない
暴落時のSNSは「暴落の情報」で溢れます。悲観的な投稿・「もっと下がる」「今すぐ売れ」という声が飛び交い、恐怖が増幅されます。
SNSで暴落情報を見れば見るほど、感情的な判断をしやすくなります。暴落中は意識的にSNSと距離を置くことを強くおすすめします。投資の判断はデータと長期チャートに基づいて行い、他人の感情に引きずられないようにしましょう。
5. 生活費を現金で確保しておく
暴落時に「売らなければいけない状況」を作らないことが最重要です。生活費や近い将来使う予定のお金を投資に回していると、暴落局面でどうしても売らざるを得なくなります。
生活費の3〜6ヶ月分(できれば6ヶ月〜1年分)は現金で別途確保しておきましょう。緊急予備資金があれば、たとえ暴落しても慌てず待つことができます。オルカンに入れていいのは「10年以上使わないお金」だけです。
暴落後の回復を「待てる人」が資産を作れる理由
長期投資の本質は、「複利の力を最大限に活かすこと」です。そして複利を活かすには、「何もしない期間」が必要です。
複利の力:待てば待つほど資産は加速する
毎月3万円をオルカンに積み立て、年平均リターンを7%と仮定した場合のシミュレーションです。
| 積立期間 | 元本 | 運用後の資産額(年7%想定) | 利益額 |
|---|---|---|---|
| 10年 | 360万円 | 約520万円 | 約+160万円 |
| 20年 | 720万円 | 約1,560万円 | 約+840万円 |
| 30年 | 1,080万円 | 約3,600万円 | 約+2,520万円 |
30年積み立てると、元本1,080万円が約3,600万円になります。利益だけで2,520万円。これが複利の力です。重要なのは、この複利効果は「途中で売らなかった場合」にだけ発揮されるという点です。
暴落で売ると「複利の連鎖」が途切れる
途中で売ってしまうと、それまで積み上げてきた複利の連鎖が途切れます。たとえば20年間積み立てた後に暴落で売ると、約1,560万円の資産が(仮に▲30%なら)約1,092万円になります。
さらに問題なのは、売った後の「再エントリーのタイミング」を間違えると、残り10年の複利効果を十分に享受できないことです。長期投資で最も大切な資産は「時間」です。売るたびに、この「時間」という資産が失われていきます。
「待てる人」になるための心構え
暴落を「待てる人」と「待てない人」の違いは何でしょうか。それは「暴落は一時的であり、必ず回復する」という確信を持っているかどうかです。
この確信は、過去のデータを学ぶことで得られます。リーマンショックも、コロナショックも、2022年の暴落も、すべて回復しました。「今回だけは違う」と思いたくなる気持ちはわかりますが、過去100年以上の株式市場の歴史は、「世界経済は長期的に成長し続ける」ことを示しています。
Yuzurihaの実体験:2022年に▲200万円でも継続した結果
ここで、私自身の実体験をお伝えします。
私Yuzurihaは2020年から毎月オルカンを積み立て始めました。始めた当初はコロナショックの真っ只中。「こんな時期に始めて大丈夫か」と何度も不安になりましたが、積立を続けました。
2021年は株価が好調で、資産は順調に増えました。しかし2022年、試練が訪れます。FRBの急速な利上げと世界的なインフレを背景に、全世界株式が大きく下落。私のオルカンの含み損は一時▲200万円を超えました。
正直に言います。怖かったです。SNSでは「もっと下がる」「底が見えない」という声が溢れ、「売って現金に戻すべきか」と何度も考えました。
しかし、私が選んだのは「何もしないこと」でした。いや、正確には「積立を継続すること」でした。毎月の積立設定を変えず、▲200万円という含み損を眺めながらも、淡々と入金し続けました。その根拠は、過去の暴落データが「必ず回復する」ことを示していたからです。
結果はどうだったか。2023年には株式市場が大きく回復し、含み損は消えました。そして2024年〜2026年にかけてさらに上昇し、総資産は約6,000万円に達しています。
もし2022年に▲200万円の含み損に耐えきれず売っていたら、2023年以降の大きな上昇を逃していました。数百万円単位で結果が変わっていたはずです。
「暴落時に何もしない(積立を継続する)こと」が、いかに強力な戦略かを身をもって経験しました。この実体験が、皆さんに伝えたい一番の教訓です。
オルカンの基本から学びたい方は、こちらの記事もご覧ください。オルカン完全ガイド(初心者向け)
よくある質問(FAQ)
Q. 暴落中のオルカンは今すぐ売るべきですか?
A. 売るべきではありません。暴落中に売ることは、含み損を確定損に変える行為です。過去のすべての暴落において、オルカン(全世界株式)は必ず回復してきた歴史があります。「10年以上使わないお金」で積み立てているなら、売る理由はありません。ただし、近い将来(3年以内)に使う予定のお金まで投資していた場合は、運用の見直しが必要です。
Q. 暴落の底はいつですか?どこで買えばいいですか?
A. 底値を正確に予測することは、プロの投資家にも不可能です。「底値で買おう」と待ち続けると、そのまま回復局面を見逃すリスクが非常に高くなります。毎月一定額を積み立てる「ドルコスト平均法」は、底値を当てる必要がない合理的な戦略です。暴落中も積立を継続することで、自然に低い価格帯での購入口数が増えます。
Q. 暴落が怖いので、一時的に積立を停止してもいいですか?
A. 一時停止は推奨しません。積立を停止すると、暴落中の安い価格帯での購入機会を失います。再開のタイミングも難しく、「もう少し待とう」「また下がるかも」と先延ばしになりがちです。どうしても不安な場合は、積立額を減らすことは考えられますが、完全停止よりも少額でも継続する方が長期的なリターンは高くなります。
Q. 暴落が続いて資産が半分になったらどうすればいいですか?
A. それでも売らないことが正解です。リーマンショックでは実際に全世界株式が約▲58%(資産が半分以下)になりました。しかしその後5〜6年で回復しました。資産が半分になっても生活に支障がないよう、生活費の半年〜1年分を現金で別途確保しておくことが重要です。投資に入れるお金は「10年以上使わないお金」に限定してください。
Q. 新NISAで積み立てている場合も同じ対応でいいですか?
A. はい、同じ対応が基本です。新NISAは売却すると非課税枠が翌年に復活しますが、それでも暴落中に売ることはおすすめしません。売って損失を確定させた上に、買い直しのタイミングも難しくなります。新NISAの積立設定はそのまま維持し、暴落が来ても継続するのが最善策です。
Q. 暴落しているのに「チャンス」と言える理由は何ですか?
A. 同じ金額でより多くの口数(株数)を購入できるからです。たとえば基準価額が20,000円のときに毎月3万円積み立てると1.5口購入できますが、10,000円に下落すれば3口購入できます。価格が回復したとき、口数が多いほど利益が大きくなります。暴落は「割引セール」と捉え、積立を継続することがドルコスト平均法の真価を発揮するタイミングです。
まとめ:暴落時の正しい対処法
この記事でお伝えしたことを、最後にまとめます。
| 場面 | 正しい行動 | やってはいけないこと |
|---|---|---|
| 暴落発生直後 | 何もしない・積立継続 | 狼狽売り・積立停止 |
| 暴落が続くとき | 長期チャートを見る・SNSを見ない | 短期チャートを見て悲観する |
| 余裕資金がある場合 | スポット購入・増額積立 | 現金をすべて一度に投入する |
| 生活費が不安な場合 | 緊急予備資金を確保する | 生活費まで投資に回す |
| 回復を待つ期間 | 複利を信じて保有継続 | 「今回だけは違う」と思い込む |
暴落時に正しい行動を取れるかどうかが、長期投資の結果を大きく左右します。売らずに待てた人が資産を作り、感情に負けて売った人が機会を失ってきた——これが投資の歴史が繰り返し示している事実です。
次の暴落が来たとき、この記事を思い出してください。「過去のすべての暴落は回復した。今回も同じだ」と自分に言い聞かせ、積立を継続してください。
まずは今の積立設定を確認し、「暴落が来ても続ける」と心に決めることから始めましょう。それが資産形成の第一歩です。
オルカンについてもっと基礎から学びたい方は、こちらの記事もご覧ください。
免責事項:本記事は投資の参考情報として作成したものであり、特定の金融商品への投資を勧誘するものではありません。投資はご自身の判断と責任において行ってください。元本保証はなく、投資した資産の価値が下落するリスクがあります。














