ご注意: 本記事で示す利回り・シミュレーション数値は、過去の実績やデータに基づく想定値であり、将来の運用成果を保証するものではありません。実際の投資成果は市場環境により変動します。
「オルカンの想定利回りは何%で考えればいいの?」
「毎月積立したら、将来いくらになるのか知りたい」
オルカンは長期投資を前提とした商品です。将来の目標額を見積りには、想定利回りの設定が必要となります。この記事では過去の実績からオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))の想定利回りを検討します。
オルカンとは?まずは基本をおさらい
オルカンとは、
三菱UFJアセットマネジメント が運用する投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の通称です。
オルカンはインデックスファンドに分類されます。インデックスファンドとは株価指数に連動を目指すファンドです。指数連動に追従するように銘柄入れ替えを行うため、ファンドマネージャーの銘柄選定売買タイミングの判断が必要ないため、信託報酬(コスト)が低いというメリットがあります。
オルカンは、
MSCI ACWI(All Country World Index) という指数に連動することを目指しています。
MSCI ACWIとは?
MSCIとはモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルの略称で、米国に本拠を置く金融サービス企業です。ACWI(All Country World Index)は全世界の株式を対象とした指数を表します。
つまり、MSCI ACWIは、MSCI社が算出している先進国と新興国を含む47カ国・約3,000銘柄で構成された世界中の株式に分散された指数です。
オルカンの成績は「株価」と「為替」で決まる
オルカンの日本円で購入する商品です。しかし、オルカンを構成するうちに日本株の割合は5%程度しかありません。残りの95%は海外の銘柄で、米国であればドル、欧州株であればユーロで取引されています。
つまり、オルカンの基準価格は
株価 × 為替 により決定しています。あなたは日本円で購入していても、ファンド側で通貨を変換し、その国の株を買っているのです。
円安になると保有しているオルカンの基準価格は上がり儲かります。すでに持っている外国株を売って円に戻すとき、たくさんの円がもらえるからです。
為替の影響は投資成績に対しプラスにもマイナスにもなる可能性があります。この記事では為替影響を除いたMSCI ACWIの成長率で利回りを算出します。
MSCI ACWIの過去実績
MSCI ACWIの公式データから過去の実績を把握します。
基準価格の推移
平均利回り +12.4% (2021年~2025年 @5年)
平均利回り +12.7% (2016年~2025年 @10年)
平均利回り +8.7% (1999年~2025年 @27年)
※オルカンの指数であるMSCI ACWIの$ベースの成績
日付
基準価格 [$]
年間利回り
備考
1998年末
92.18
–
1999年末
116.56
+26.4%
2000年末
100.00
-14.2%
ITバブル崩壊
2001年末
83.79
-16.2%
2002年末
67.61
-19.3%
2003年末
90.58
+34.0%
2004年末
104.38
+15.2%
2005年末
115.69
+10.8%
2006年末
139.93
+21.0%
2007年末
156.25
+11.7%
2008年末
90.32
-42.2%
リーマンショック
2009年末
121.60
+34.6%
2010年末
137.00
+12.7%
2011年末
126.94
-7.3%
2012年末
147.41
+16.1%
2013年末
181.02
+22.8%
2014年末
188.55
+4.2%
2015年末
184.10
-2.4%
2016年末
198.58
+7.9%
2017年末
246.18
+24.0%
2018年末
223.00
-9.4%
2019年末
282.31
+26.6%
2020年末
328.20
+16.3%
コロナショック
2021年末
389.04
+18.5%
2022年末
317.60
-18.4%
2023年末
388.11
+22.2%
2024年末
455.99
+17.5%
2025年末
557.85
+22.3%
世界的なショックが起きた年は成績が下がることが多いです。
ITバブル崩壊(2000年前後)
リーマンショック(2008年)
コロナショック(2020年)
ドル×円の過去実績
基準価格の推移
平均利回り +8.8% (2021年~2025年 @5年)
平均利回り +2.9% (2016年~2025年 @10年)
平均利回り +1.6% (1999年~2025年 @27年)
※
GoogleFinance を参考におおよその年末時点の数値
日付
基準価格 [$]
年間利回り
備考
1998年末
116.50
–
1999年末
103.18
-11.4%
2000年末
114.35
+10.8%
ITバブル崩壊
2001年末
131.04
+14.6%
2002年末
118.75
-9.4%
2003年末
107.13
-9.8%
2004年末
102.68
-4.2%
2005年末
117.88
+14.8%
2006年末
119.02
+1.0%
2007年末
111.71
-6.1%
2008年末
90.79
-18.7%
リーマンショック
2009年末
93.08
+2.5%
2010年末
81.67
-12.3%
2011年末
76.98
-5.7%
2012年末
86.64
+12.5%
2013年末
105.25
+21.5%
2014年末
119.85
+13.9%
2015年末
120.27
+0.4%
2016年末
116.96
-2.8%
2017年末
112.96
-3.4%
2018年末
109.66
-2.9%
2019年末
108.68
-0.9%
2020年末
103.25
-5.0%
コロナショック
2021年末
115.11
+11.5%
2022年末
131.12
+13.9%
2023年末
143.68
+9.6%
2024年末
157.86
+9.9%
2025年末
156.56
-0.8%
eMAXIS Slimオールカントリーの過去実績
平均利回り +22.1% (2021年~2025年 @5年)
平均利回り +20.9% (2019年~2025年 @7年)
※
MUFG公式情報 を参考にした年末の値
日付
基準価格 [円]
年間利回り
備考
2018年末
9,254
–
2019年末
11,736
+26.8%
2020年末
12,788
+9.0%
コロナショック
2021年末
16,971
+32.7%
2022年末
16,024
-5.6%
2023年末
20,899
+30.4%
2024年末
27,473
+31.5%
2025年末
33,365
+21.4%
【検証】MSCI ACWI×為替 VS オルカン
オルカンが設定されたのは2018年であり歴史の短いファンドです。長期的な利回りを想定するためには実績が少ないため、MSCI ACWI成績と為替(ドル円)の実績からオルカンの将来の利回りを想定できるか検証します。
検証は年度末の価格を使用し、前年比の増減率で判断します。
比較条件 ①×②
① MSCI ACWI実績 × 為替実績(ドル円)の前年比増減率
② オルカン基準価格の前年比増減率
前年比増減率
①MSCI ACWI × ②為替(ドル円)
平均利回り +21.9% (2021年~2025年 @5年)
平均利回り +15.8% (2016年~2025年 @10年)
平均利回り +10.6% (1999年~2025年 @27年)
オルカン
平均利回り +22.1% (2021年~2025年 @5年)
平均利回り +20.9% (2019年~2025年 @7年)
日付
①MSCI
ACWI
②為替
(ドル円)
①×②
オルカン
1998年末
–
–
–
–
1999年末
+26.4%
-11.4%
+12.0%
–
2000年末
-14.2%
+10.8%
-4.9%
–
2001年末
-16.2%
+14.6%
-4.0%
–
2002年末
-19.3%
-9.4%
-26.9%
–
2003年末
+34.0%
-9.8%
+20.9%
–
2004年末
+15.2%
-4.2%
+10.4%
–
2005年末
+10.8%
+14.8%
+27.2%
–
2006年末
+21.0%
+1.0%
+22.1%
–
2007年末
+11.7%
-6.1%
+4.8%
–
2008年末
-42.2%
-18.7%
-53.0%
–
2009年末
+34.6%
+2.5%
+38.0%
–
2010年末
+12.7%
-12.3%
-1.1%
–
2011年末
-7.3%
-5.7%
-12.7%
–
2012年末
+16.1%
+12.5%
+30.7%
–
2013年末
+22.8%
+21.5%
+49.2%
–
2014年末
+4.2%
+13.9%
+18.6%
–
2015年末
-2.4%
+0.4%
-2.0%
–
2016年末
+7.9%
-2.8%
+4.9%
–
2017年末
+24.0%
-3.4%
+19.7%
–
2018年末
-9.4%
-2.9%
-12.1%
–
2019年末
+26.6%
-0.9%
+25.5%
+26.8%
2020年末
+16.3%
-5.0%
+10.4%
+9.0%
2021年末
+18.5%
+11.5%
+32.2%
+32.7%
2022年末
-18.4%
+13.9%
-7.0%
-5.6%
2023年末
+22.2%
+9.6%
+33.9%
+30.4%
2024年末
+17.5%
+9.9%
+29.1%
+31.5%
2025年末
+22.3%
-0.8%
+21.3%
+21.4%
オルカン実績のある2018年末100として比較。2018年から2025年の間は同等に推移していることが確認できる。
オルカンの想定利回りは7%がおすすめ
オルカンの
想定利回りは7% で見積もる ことをお勧めします。
オルカンが設定された2018年以降は大半を占める米国株が好調であることと、為替が円安に進んだことでオルカンの基準価格は大きく増加しました。しかし、長期で見るとオルカンの指数であるACWIの平均リターンは8%前後です。通貨で見ると割合の大きい米ドル×円の為替ばらつきは年1~2%あり、為替のマイナス影響を考慮すると7%~8%前後に収束すると推定します。
年間平均増減率(2025年末時点)
5年
(2021年~)
10年
(2016年~)
15 年
(2011年~)
20 年
(2006年~)
27年
(1999年~)
ACWI
+12.4%
+12.7%
+10.7%
+9.9%
+8.7%
為替(ドル円)
+8.8%
+2.9%
+4.8%
+1.9%
+1.6%
ACWI
×
為替(ドル円)
+21.9%
+15.8%
+16.1%
+12.6%
+10.6%
オルカン
+22.1%
–
–
–
–
よくある質問
Q. 今後も7%で増え続けますか?
保証はありません。株式市場は常に変動します。過去実績は参考になりますが、将来を約束するものではありません。
Q. 利回りが低下したら意味がない?
年率3〜4%でも、長期積立では大きな資産になります。
「時間」を味方にすることが重要です。
✅オルカンに関する全般をわかりやすくまとめています。ぜひこちらもご覧ください。
▶
初心者向けオルカン完全ガイド|特徴・メリット・始め方まで徹底解説
※本記事の利回り・シミュレーション数値は過去の実績やデータに基づく想定値であり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資は元本が保証されるものではなく、損失が生じる可能性があります。投資の判断は必ずご自身の責任において行ってください。