全世界株式に投資する際、必ずといっていいほど目にするのが「FTSE」「ACWI」という言葉です。

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)はACWI、
SBI・V・全世界株式や楽天・全世界株式はFTSEをベースにしています。

「どちらが優れているの?」「成績に差は出るの?」と疑問に思う方も多いですが、結論から言うと、長期投資では大きな差はありません
ただし、考え方や設計には違いがあります。

ここでは、FTSEとACWIの違いを投資初心者でも理解できるように解説します。

そもそもFTSEとACWIとは何か

FTSE(エフティーエスイー)とは

FTSEとは、イギリスの指数算出会社FTSE Russell(FTSEラッセル)が提供する株価指数です。全世界株式投資でよく使われるのは、次の指数です。

  • FTSE Global All Cap Index

この指数は、先進国と新興国の大型株・中型株小型株まで含めた、非常に幅広い全世界株式指数です。

  • より広く分散できる
  • 将来成長する企業を早い段階で取り込める可能性

といった特徴があります。

ACWI(エーシーダブリューアイ)とは

ACWIは、アメリカの指数算出会社MSCIが提供する指数で、正式名称は

  • MSCI All Country World Index

ACWIは、先進国と新興国の大型株・中型株を対象としており、小型株は含まれていない点が特徴です。ACWIは、小型株を除外することで、

  • 売買コストを抑えやすい
  • 指数の安定性が高い
  • 再現性が高い

というメリットがあります。
オルカンがACWIを採用しているのは、低コストで安定した運用を実現しやすいという理由が大きいと考えられます。

FTSEとACWIの主な違いを比較

比較項目 FTSE ACWI
指数提供会社 FTSE Russell(英国) MSCI(米国)
投資対象国 先進国+新興国 先進国+新興国
含まれる株式 大型・中型・小型 大型・中型
銘柄数 約9,000銘柄以上 約3,000銘柄前後
代表的な商品 VT、SBI・V全世界株式 オルカン、ACWI ETF

FTSEとACWIの最も大きな違いは、小型株を含むかどうかです。

 

FTSEとACWIで投資成績に差は出るのか?

多くの方が気になるのが、「FTSEとACWIでリターンは変わるの?」という点です。
結論としては、長期ではほとんど差が出ないと考えられています。

小型株が好調な時期にはFTSEがやや有利になることもありますが、

  • 世界経済全体の成長
  • 米国株の影響力

がリターンの大部分を占めるため、指数の違いによる差は限定的です。

初心者はどちらを選べばよい?

シンプルさ重視ならACWI(オルカン)

以下に当てはまる方は、ACWI連動のオルカンが向いています。

  • できるだけ低コストで運用したい
  • 指数の仕組みを深く考えたくない
  • NISAで長期積立をしたい

より広い分散を求めるならFTSE

以下のような考えの方は、FTSE連動型も選択肢になります。

  • 小型株も含めて世界中に投資したい
  • ETF(VT)に魅力を感じる

まとめ|FTSEとACWIは「優劣」ではなく「設計思想の違い」

FTSEとACWIの違いは、

  • どこまで分散するか
  • コストと再現性をどう考えるか

という設計思想の違いです。

どちらを選んでも、「全世界株式に長期投資する」という本質は変わりません。

迷った場合は、扱いやすく、低コストで、NISAとの相性が良いオルカンから始めるのが、多くの人にとって無理のない選択と言えるでしょう