日本酒は、米と水から造られる日本の伝統的な酒であり、長い歴史と文化を持っています。近年では、国内外で日本酒の人気が高まり、多くの人々がその魅力に惹かれています。本記事では、日本酒の基本知識から楽しみ方、おすすめの銘柄までを紹介し、初心者の方でも日本酒の世界を楽しめるようにご案内します。
日本酒の種類
日本酒は精米歩合と原料により名称が変わります。純米酒・吟醸酒・本醸造酒の3つは特定名称酒(とくていめいしょうしゅ)に分類されます。
日本酒のアルコール度数は、13%から16%程度が一般的です。
精米歩合 | 原料 | 製造方法 | |
純米大吟醸酒 | 50%以下 | 米・米麹・水 | 醸造アルコール・糖類を 添加しない |
純米吟醸酒 | 60%以下 | ↑ | ↑ |
純米酒 | – | ↑ | ↑ |
大吟醸酒 | 50%以下 | 米・米麹・水 ・醸造アルコール |
・醸造アルコールを添加 ・低温で長時間発酵 |
吟醸酒 | 60%以下 | ↑ | ↑ |
本醸造酒 | 70%以下 | ↑ | ・醸造アルコールを添加 |
普通酒 | – | 米・米麹・水 ・醸造アルコール・糖類 |
・低コスト |
火入れ
火入れ | 特徴 | 保存性 | |
生酒 | なし | 日本酒本来のフルーティな 味わい |
味・風味を損なわずに 保管できる期間は短い |
生詰酒 | 搾った後 | 生酒のようなフレッシュ感 | 生酒よりは保管しやすい |
生貯蔵酒 | 瓶詰め前 | 火入れを2度行う日本酒と比べ フレッシュ感あり |
生酒よりは保管しやすい |
新酒・古酒
定義 | 特徴 | |
新酒 | ・製造年度内に造られた日本酒 | レッシュで爽やかな味わいが特徴。香りが華やかで、 フルーティーな印象を受けることが多い。 |
古酒 | ・数年以上酒蔵で熟成 ・糖類添加酒を除く清酒 |
まろやか、コク深い、甘味や旨味が濃厚。 色合いも琥珀色に変化し、独特の熟成香が楽しめる。 |
精米歩合とは
精米歩合とは、米をどれだけ削ったかを示す数値で、数値が低いほど米を多く削っています。一般的に、精米歩合が低いほど雑味が少なく、すっきりとした味わいになります。白米として食べるお米の精米歩合は92%程度ですが、日本酒は75%以下まで磨くこが多い。お米の表面を「削る」ことを「磨く」と表現します。
「精米歩合60%」とは、米の表層側の40%を磨いて、残り60%でお酒を仕込んだという事になります。
酒米の特徴と種類
酒米(さかまい)とは日本酒造りに適したお米のことです。酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)とも呼ばれ、以下の特徴があります。
・粒が大きい:精米時に砕けにくく、高精白が可能です。
・心白:米の中心部にある白く不透明な部分で、麹菌が浸透しやすく発酵に適する
・低たんぱく質・低脂質:雑味の原因となる成分が少なく、クリアな味わい
代表的な酒米
主な産地 | 特徴 | |
山田錦 (やまだにしき) |
兵庫県 | 「酒米の王様」と称され、粒が大きく心白が中心にあり、 吸水性や麹菌の浸透性に優れています。華やかな香りと ふくよかな味わいが特徴で、特に吟醸酒や大吟醸酒に適する。 |
五百万石 (ごひゃくまんごく) |
新潟県 | 粒が小さめで高精白には向きませんが、早生品種で栽培し やすく、全国で広く使用されています。淡麗でキレのある 味わいが特徴で、特に新潟の「淡麗辛口」スタイルの 日本酒に多く用いられる。 |
雄町 (おまち) |
岡山県 | 現存する最古の酒米で、他の多くの酒米のルーツとされて いる。粒が大きく心白も大きいですが、栽培が難しいと されています。濃醇でコクのある味わいが特徴で、 個性的な日本酒が造られる。 |
美山錦 (みやまにしき) |
長野県 | 寒冷地でも育ちやすく、心白が大きく、精米歩合を 高めやすい特性。すっきりとした味わいで、 フルーティーな香りが特徴。 |
秋田酒こまち (あきたさけこまち) |
秋田県 | 高精白が可能で、吟醸酒や大吟醸酒に適する。 上品で透明感のある味わいが特徴。 |
日本酒の楽しみ方
日本酒は、温度によって味わいが大きく変化します。
温度 | 特徴 | |
冷酒 | 5~10℃ | すっきりとした味わいで、香りが引き立つ。 吟醸酒や大吟醸酒におすすめ。 |
常温 | 15~20℃ | 日本酒本来の味わいを楽しめる。 純米酒や本醸造酒におすすめ。 |
燗酒 | 40~55℃ | 温めることで、まろやかさや旨味が増す。 古酒や純米酒におすすめ。 |