オルカンを構成する47ヵ国と割合

オルカンは世界経済の成長に丸ごと乗れる
日本で「オルカン」と呼ばれている投資信託の多くは、MSCI ACWI(All Country World Index)をベンチマークとし、先進国から新興国まで、世界中の株式市場に分散投資することを目的としています。一本のファンドで数千銘柄、数十カ国に投資できるという手軽さから、長期投資の王道として圧倒的な支持を集めています。
世界経済の変化に合わせ、オルカンを構成する「国」は変化しています。
成長する国があれば、相対的に存在感を失う国もあり、株式市場の規模、流動性、投資環境、規制、政治情勢――そうした要因をもとに、MSCIは定期的に指数の構成を見直し、「どの国をどの区分(先進国・新興国など)に含めるか」を判断しています。
つまり、オルカンは単に「世界に分散している商品」ではなく、
世界経済の重心が移動する様子を、指数という形で忠実に反映する仕組みなのです。個人が国単位で将来を予測し、投資判断を下すのは極めて困難です。しかし指数連動型のオルカンであれば、世界全体の評価に基づいて、構成国は静かに、しかし着実に入れ替わっていきます。
こうした「国の入れ替え」や「比率の変化」は、ニュースとして大きく取り上げられることは少ないものの、実はオルカンに投資している私たちにとって非常に重要な意味を持っています。
オルカンはなぜ47ヵ国だけなの?全世界ではない理由
オルカンは「全世界株式」と呼ばれていますが、実際に投資対象となっているのは約47ヵ国です。
「全世界なのに、なぜすべての国が含まれていないの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
これは、オルカンが連動しているMSCI ACWI指数が「投資可能性」を重視して構成されているためです。
株式市場が未整備で流動性が低い国や、外国人投資家が自由に投資できない国は指数から除外されています。
つまり、オルカンは単に国の数を増やすのではなく、
「実際に世界経済を動かしている国・企業」に効率よく分散投資する仕組みになっているのです。
この考え方により、初心者でも
・極端なリスクを避けられる
・長期投資に適した安定した指数に投資できる
というメリットがあります。
オルカンは「完璧な全世界」ではなく、
**長期投資に最適化された“現実的な全世界投資”** と理解すると分かりやすいでしょう。
MSCI ACWIの国分類ルール解説
オルカンが連動する「MSCI ACWI(All Country World Index)」は、単に世界中の株式を集めた指数ではありません。MSCIは明確なルールに基づき、どの国を、どの区分で、どの比率で組み入れるかを厳密に判断しています。
まず大きな枠組みとして、MSCI ACWIは以下の2つで構成されています。
・先進国(Developed Markets)
・新興国(Emerging Markets)
この区分は、国の経済成長率だけで決まるわけではありません。MSCIが重視する主な判断基準は次の3点です。
・経済発展の水準
一人当たりGNIなどを基準に、一定水準を継続的に満たしているか。
・株式市場の規模と流動性
時価総額、売買代金、上場企業数などが十分かどうか。
・市場へのアクセスのしやすさ
外国人投資家に対する投資規制、資本移動の自由度、決済・清算制度の整備状況など。
これらを総合的に評価し、MSCIは年1回以上、国の分類や構成比率を見直します。
このプロセスは「政治的判断」ではなく、「投資家目線」で行われています。
MSCI ACWI採用国|47ヵ国
・先進国:23ヵ国
・新興国:24ヵ国

2020年3月:アルゼンチン、サウジアラビア追加。新興国は24→26ヵ国に増加。
2021年3月:クウェート追加。新興国は26→27ヵ国に増加。
2022年3月:ロシア、アルゼンチン、パキスタン除外。新興国は27→24ヵ国に減少。
先進国割合
米国株の割合は増加傾向。日本株の割合は減少傾向

| 割合 | 構成 | 米国 | 日本 | |
| 2025年3月 | 89.7% | 23ヵ国 | 64.5% | 4.9% |
| 2024年9月 | 89.4% | 23ヵ国 | 64.2% | 5.0% |
| 2024年3月 | 90.0% | 23ヵ国 | 63.8% | 5.5% |
| 2023年9月 | 89.3% | 23ヵ国 | 62.3% | 5.5% |
| 2023年3月 | 89.1% | 23ヵ国 | 60.6% | 5.5% |
| 2022年9月 | 88.9% | 23ヵ国 | 62.0% | 5.4% |
| 2022年3月 | 88.9% | 23ヵ国 | 61.4% | 5.4% |
| 2021年9月 | 88.0% | 23ヵ国 | 59.6% | 6.2% |
| 2021年3月 | 87.0% | 23ヵ国 | 57.8% | 6.5% |
| 2020年3月 | 87.0% | 23ヵ国 | 56.6% | 7.5% |
| 2019年3月 | 88.3% | 23ヵ国 | 55.0% | 7.2% |
新興国割合
中国株の割合は減少傾向。インド株の割合は増加傾向

| 割合 | 構成 | 中国 | 台湾 | インド | |
| 2025年3月 | 10.3% | 24ヵ国 | 3.2% | 1.7% | 1.9% |
| 2024年9月 | 10.6% | 24ヵ国 | 2.9% | 1.9% | 2.1% |
| 2024年3月 | 10.0% | 24ヵ国 | 2.5% | 1.8% | 1.8% |
| 2023年9月 | 10.7% | 24ヵ国 | 3.2% | 1.6% | 1.7% |
| 2023年3月 | 10.9% | 24ヵ国 | 3.6% | 1.7% | 1.4% |
| 2022年9月 | 11.1% | 24ヵ国 | 3.5% | 1.5% | 1.7% |
| 2022年3月 | 11.1% | 24ヵ国 | 3.3% | 1.8% | 1.4% |
| 2021年9月 | 12.0% | 27ヵ国 | 4.1% | 1.8% | – |
| 2021年3月 | 13.0% | 27ヵ国 | 4.9% | 1.8% | – |
| 2020年3月 | 12.0% | 26ヵ国 | 4.9% | 1.5% | – |
| 2019年3月 | 11.7% | 24ヵ国 | 3.9% | 1.3% | – |
よくあるQ&A|オルカンの構成国割合は今後変わる?
はい、変わります。
オルカンは定期的に指数の見直しが行われ、各国の経済規模や株式市場の成長に応じて構成比率が自動的に調整されます。
投資家自身が売買をしなくても、世界経済の変化に合わせて中身が最適化される点も、オルカンが初心者向けと言われる理由です。
オルカン1本で本当に分散投資は十分?
「オルカン1本で本当に分散投資は十分なの?」という疑問もよく聞かれます。
結論から言うと、投資初心者にとっては十分すぎるほど分散されています。
オルカンは1本で、
・先進国+新興国
・数千社以上の企業
・世界の時価総額の大部分
に投資できる仕組みです。
そのため、個別株や複数の投資信託を組み合わせなくても、
世界経済の成長をそのまま取り込めるのが大きな魅力です。
一方で、米国比率が高い点などの特徴もあるため、
投資スタイルによってはS&P500などと比較検討することも重要です。
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