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生涯で自動車支払う費用は3,000万円以上!?自動車にかかる費用の話

出典:Pixabay

ふくろん
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人生における大きな支出の一つである自動車について、生涯に支払うお金がどのくらいになるのか考えてみましょう。

以下の7項目に分けて費用を考えていきます。

・自動車購入費
・駐車場代
・燃料費
・メンテナンス費
・車検費
・保険費
・税金

この記事は生涯で自動車に使うお金のイメージを持つことを目的としています。現在の日本における平均的な数値を、仮定に基づき積み上げています。インフレや為替影響、旧車の費用増は考慮しておりません。あくまで参考値としてご覧ください。

トヨタのカローラをベースに検討します。選定理由は2024年度上半期販売台数1位であり、日本の平均的な車両購入価格に近いからです。詳細は後述します。

トヨタ カローラ
グレード   :W×B
パワーユニット:1.5Lエンジン
駆動方式   :2WD
WLTCモード :18.1km/L
車両価格   :252万円(税込)以下で詳細を考えます。
リンク:トヨタ公式 | COROLLA

 

自動車購入費

自動車購入費は自動車の購入価格 [円] × 生涯の購入台数 [台] で算出します。

平均購入価格は264万円

多くの方が自動車を保有する上で最も大きな費用となるのが自動車の購入費用です。近年は電動化や自動ブレーキなどの安全装備が増えたことがで自動車購入費用も高額になる傾向です。200万円を超える軽自動車も数多くあり、子育て世代でミニバンを購入しようと思うと300万円以上は必要でしょう。
※マイカーローンや残価設定型クレジットで発生する金利は未考慮。

出典:一般社団法人 日本自動車工業会 | 2023年度 乗用車市場動向調査

 

平均自動車保有年数7年

自動車の平均的な保有期間は新車8年中古車6年。
20歳から70歳までの50年間所有すると仮定した場合、生涯で平均7台の自動車を購入することになります。

約半分の人が7年以上同じ車を乗り続けています。10年以上保有するのは約4台に1台程度です。新車で購入した場合、3回目から4回目の車検の間で買替を検討する方が多いのかもしれません。10年過ぎると燃費や機能、安全面で大きく進歩しており乗り換えを検討するケースが多くなりそうです。

出典:一般社団法人 日本自動車工業会 | 2023年度 乗用車市場動向調査

 

生涯に支払う自動車購入費

1台あたりの自動車価格:264万円 × 生涯購入台数:7台
= 生涯に支払う自動車購入費:1,848万円

 

駐車場代

駐車場の月額料金は地域によって大きく異なります。東京、京都などは平均価格が1万円を超えますが、地方になると5千円代の地域も存在します。地方では生活する上で自動車が必ず必要な方が多い反面、持ち家率も高く駐車場代は必要ない可能性も高くなります。

月極駐車場 参考価格(2021年)
東京都 :2万2千円
神奈川県:1万6千円
大阪府 :1万2千円
愛知県 :8千円
秋田県 :5千円
宮崎県 :5千円
徳島県 :5千円
出典:月極駐車場検索アットパーキング | 月極駐車場の相場

今回は駐車場代を月額7千円とし、期間は50年間(自動車保有期間:20歳~70歳)と仮定し計算します。

月額駐車場代:7千円 × 12ヵ月 × 自動車保有期間:50年
= 生涯に支払う駐車場料金:420万円

 

燃料費

燃料費は年間走行距離 [km] ÷ ( 燃費 [km/L] × カタログ値×実燃費の補正値 ) × ガソリン単価 [L/円] × 自動車保有期間 [年] で算出します。

年間走行距離 [km]

日本自動車工業会が公表している「2023年度 乗用車の市場動向調査」によると1ヵ月当たりの平均走行距離は362km。1日あたり12kmここ数年は通勤・通学で毎日利用する人と1日当たりの走行距離は減少方向です。コロナ以降、在宅勤務が増加したことが反映されているのかもしれません。

1ヵ月当たりの平均走行距離:362km × 12ヵ月 = 平均的な年間走行距離:4,344km

出典:一般社団法人 日本自動車工業会 | 2023年度 乗用車市場動向調査

年間走行距離の平均としてはかなり少ないと感じますがいかがでしょうか?近所の買い物にしか使わない車を含めると平均はこの程度の距離になるのかもしれません。

 

燃費 [km/L]

燃料費は燃費と走行距離によって大きく変わります。そして燃費はパワーユニット(動力)と車種により変動します。

2024年時点の一般的なパワーユニットはガソリン車(ディーゼル含む)、ハイブリッド車、EV(電気自動車)です。今回はトヨタ「MIRAI」のような燃料電池車(FCV)は除外します。EVの場合は充電費用(電気代)となりますが、2024年度時点ではまだまだ普及率が低いので化石燃料を使用して走る自動車を前提とします。

2024年度上半期 日本の自動車販売ランキング(乗用車)のTOP3は以下です。
1位:トヨタ カローラ
2位:トヨタ ヤリス
3位:トヨタ シエンタ

トヨタ強いです。日本には乗用車メーカが8社あるのにTOP3全てがトヨタなのはすごいですね。ちなみに日本の乗用車メーカー8社は「トヨタ」「ホンダ」「日産」「三菱」「マツダ」「スバル」「スズキ」「ダイハツ」を指しています。カローラの中から人気があり、今回の見積もり使用するグレードはW×B(ガソリン車 2WD)にしました。

WLTCモードとは?
Worldwide harmonized Light duty Test Cycle(世界統一試験サイクル)
世界の走行データを参考に作成されたパターンであり、日本の道路に特化しているわけでは無い。せまい日本での実燃費とカタログ燃費が一致しないのはその為です。

「自動車購入費」で調べた平均的な購入費用とみても妥当な車両と考えます。カタログ燃費と実燃費の差を考慮するために0.8倍で計算します。0.8倍は私の経験上から仮で設定しています。

カロ―ラのカタログ燃費:18.1km/L × カタログ値と実燃費の補正 0.8倍 = 14.48km/L

 

ガソリン料金 [L/円]

私の近所のガソリンスタンドの価格を使用します(2024年8月時点)
レギュラーガソリン:166円/L

 

生涯に支払う燃料費

年間走行距離:4,344km
÷ カロ―ラの実燃費(仮):14.48km/L
× ガソリン単価:166円/L
× 50年間
= 生涯に支払う燃料費:249万円

 

メンテナンス費

メンテナンス費用は多岐にわたり、すべてを網羅するのは難しいです。今回は代表的な部品に絞って検討します。

オイル交換・オイルフィルタ交換

エンジンオイルの酸化や劣化を防ぐために5,000km毎 又は 半年~1年程度の交換が推奨されています。自動車にめったに乗らない、走行距離が少ないとしても酸化の懸念があるので交換したほうが良いようです。年に2回のオイル交換、年1回のオイルフィルタ交換とし、価格はトヨタ公式HPを参考にします。オイルの種類・ディーラーによって値段が違いますが平均的な価格を使用します。

・オイル交換:5千円(工賃含む)
・オイル交換 + オイルフィルター交換:7千円(工賃含む)

 

タイヤ購入費

タイヤの値段はピンキリですが1本1万円と仮定します。ブリヂストン公式HPを確認すると耐用年数は夏タイヤで5年とされています。スタッドレスタイヤ保有率は地域によってさまざまであり今回は考慮しません。

・タイヤ購入費用:1本1万円 × 4本 ÷ 5年 = 8千円

 

生涯に支払うメンテナンス費

1年当たりのメンテナンス費 × 生涯の自動車保有年数で算出
(オイル交換:5千円 + オイル交換&フィルター交換:7千円 + タイヤ購入費:8千円)
× 50年間
= 生涯に支払うメンテナンス費:100万円

車検費

トヨタ公式HPによるとカロ―ラの車検費は部品交換が無ければ工賃を含む基本料金と法定費用を合わせて9万円程度のようです。自動車保有年数を50年とすると生涯で車検費を25回支払うことになります。

車検費用:9万円 × 25回 = 生涯に支払う車検費:255万円

保険料

保険料費用は自賠責保険と任意保険を考えます。自賠責は加入が義務付けられており車検時に支払う法定費用の中に含まれています。ここでは任意保険料のみを検討します。

任意保険料は保険会社、本人の属性によって全く変わります。ソニー損保のネット見積りを利用し4万円と仮定し計算します。

【見積条件】ソニー損保(2024年)
車両:カローラ
等級:20等級
年齢:30歳以上
免許:ゴールド
年間走行距離:年11,000km以下
車両保険:一般型

1年当たりの任意保険料 × 生涯の自動車保有年数で算出
年間の任意保険料:4万円 × 50年間
= 生涯に支払う保険料:200万円

 

税金

自動車税、自動車重量税は自動車の仕様により決定します。自動車重量税は自賠責保険料と同じく車検時に支払う法定費用に含まれるため、ここでは除外します。

カローラ1.5L
自動車税:3万500円(排気量1000cc超から1500cc以下)
切りよく3万円とします。

1年当たりの税金 × 生涯の自動車保有年数で算出
年間の任意保険料:3万円 × 50年間
= 生涯に支払う税金:150万円

 

生涯で自動車に支払う費用

インターネットから日本の平均的な数字を使い費用を算出しました。積み上げてみると3千万円以上。2台車を持てば更にお金はかかります。

自動車購入費 264万円 × 7台 =1,848万円
駐車場代 年8.4万円 × 50年 = 420万円
燃料費 4,344km ÷ 14.48km/L × 166円/L × 50年間 = 249万円
メンテナンス費 年2万円 × 50年間 = 100万円
車検費(法定費用含む) 9万円 × 25回 = 225万円
保険料 年4万円 × 50年間 = 200万円
税金 年3万円 × 50年間 = 150万円
生涯に支払う費用合計 3,192万円

日本の世帯あたりの乗用車保有率は、自動車購入費の上昇・高齢化・カーシェアリングの普及等、様々な要因により下落傾向です。自動車にかかる費用を削減することは資産形成には大きなアドバンテージになります。購入する車種や保有期間など、ぜひ見直しをしてみてください。