オルカン設立の歴史|なぜ「全世界株式(オール・カントリー)」は個人投資家の定番になったのか

「オルカン」という言葉を聞いたことがあるけれど、
・いつから存在しているの?
・なぜここまで人気が出たの?
・他の投資信託と何が違うの?
と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
オルカン(全世界株式・オールカントリー)は、いまやつみたてNISAや新NISAの定番商品として、多くの個人投資家に選ばれています。しかし、その背景には日本の投資環境の変化や、投資信託業界の大きな転換点がありました。
この記事では、オルカン設立の歴史を軸に、誕生の背景・成長の理由・現在の位置づけまでを、投資初心者の方にも分かりやすく、丁寧に解説します。
「これからオルカンに投資しようか迷っている方」「すでに保有しているけれど理解を深めたい方」にとって、判断材料になる内容を目指しています。
オルカンとは何か?まずは基本をおさらい
オルカンとは、正式には「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という投資信託を指すことが一般的です。
この投資信託は、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)という株価指数に連動する運用を目指しています。
MSCI ACWIとは?
MSCI ACWIは、以下のような特徴を持つ指数です。
- 先進国+新興国を含む「全世界」の株式市場を対象
- 約50か国以上、数千銘柄で構成
- 世界の時価総額の大部分をカバー
つまりオルカンは、1本で世界中の株式に分散投資できる商品だと言えます。
オルカン誕生前の日本の投資信託事情
オルカンが登場する以前、日本の個人投資家が利用できる投資信託には、いくつかの課題がありました。
手数料が高い投資信託が主流だった
2010年代前半まで、日本で販売されていた投資信託の多くは、
- 購入時手数料(3%前後)
- 信託報酬が年1.5%以上
といったコストの高い商品が一般的でした。長期投資では、これらのコストが大きな足かせになります。
「全世界」にまとめて投資できる商品が少なかった
当時は、
- 日本株ファンド
- 米国株ファンド
- 新興国株ファンド
といったように、地域ごとに分かれた商品が中心でした。個人投資家が自分でバランスを考える必要があり、初心者には難しい環境だったのです。
転機となった「つみたてNISA」の登場
オルカン設立の歴史を語るうえで欠かせないのが、2018年につみたてNISAがスタートしたことです。
国が後押しした「長期・積立・分散投資」
つみたてNISAは、金融庁が「長期」「積立」「分散」という投資スタイルを普及させるために設計した制度です。対象商品は、
- 低コスト
- 分かりやすい
- 長期運用に適している
という厳しい基準を満たした投資信託に限定されました。
eMAXIS Slimシリーズ誕生とオルカンの設立
こうした流れの中で、三菱UFJ国際投信(現:三菱UFJアセットマネジメント)は、業界最低水準の運用コストを目指す「eMAXIS Slim」シリーズを立ち上げます。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の設定
2018年10月31日、
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は正式に設定されました。
このファンドは、
- MSCI ACWIに連動
- 購入時手数料なし
- 業界最低水準の信託報酬を目指す仕組み
という、当時としては非常に画期的な設計でした。
「業界最低水準を目指す」という宣言の意味
eMAXIS Slimシリーズ最大の特徴は、競合商品が値下げしたら、さらに下げるという方針です。
これにより、オルカンの信託報酬は何度も引き下げられ、長期投資におけるコスト負担が大きく改善されました。
オルカンが急速に広まった理由
① これ1本で世界分散が完成する
オルカンは、
- 米国
- 日本
- 欧州
- 新興国
まで含めた全世界株式に投資します。資産配分を自分で考える必要がない点は、多くの初心者に支持されました。
② 圧倒的な低コスト
信託報酬は長期投資の成績に直結します。オルカンは常にコスト競争の先頭に立ち、「安心して長く持てる商品」として評価されてきました。
③ SNS・ブログでの情報拡散
つみたてNISAの普及とともに、
- 個人ブログ
- X(旧Twitter)
- YouTube
などでオルカンが紹介され、実体験ベースの情報が広がったことも人気を後押ししました。
オルカンの歴史が示す「投資の考え方の変化」
オルカンの設立と普及は、日本の個人投資家の意識変化を象徴しています。
- 短期売買から長期投資へ
- 予想する投資から市場に乗る投資へ
- 一部集中から分散へ
これは金融庁が目指してきた方向性とも一致しています。
これからオルカンとどう向き合うべきか
オルカンは「万能」ではありませんが、
- 投資に時間をかけられない
- 世界経済の成長を信じたい
- シンプルに続けたい
という方にとって、今後も有力な選択肢であり続けるでしょう。
当ブログでは、オルカンとS&P500の違いや、オルカンのデメリットについても詳しく解説しています。あわせて読むことで、より納得した判断ができるはずです。
まとめ|オルカン設立の歴史から学べること
最後に、この記事の要点を整理します。
- オルカンは2018年に誕生した比較的新しい投資信託
- つみたてNISAと低コスト化の流れが背景にある
- 「全世界に分散・低コスト・長期投資」を体現した商品
- 日本の投資文化の変化を象徴する存在
オルカンの歴史を知ることは、自分がどんな投資スタイルを選びたいのかを考えるヒントにもなります。ぜひ、この記事をきっかけに、ご自身の資産形成について一歩踏み出してみてください。














