「投資はオルカン一本でいい」
SNSや投資ブログで、こんな言葉を目にしたことがある方も多いでしょう。

確かに、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式・オールカントリー)は、

  • 低コスト
  • 世界分散
  • 運用がシンプル

という点で、非常に優れた投資信託です。

しかし一方で、こんな不安を感じていませんか?

  • 本当にオルカン一本で老後まで大丈夫?
  • 債券は入れなくていいの?
  • 年齢が上がっても同じ配分でいいの?

この記事では、そうした疑問に答えるために、

  • 人生設計別の考え方
  • 債券を足すべき人・不要な人
  • 年齢別のモデルポートフォリオ

を、初心者にも分かりやすく、丁寧に解説します。

そもそも「オルカン一本」とは何が優れているのか

オルカンは、MSCI ACWI指数に連動する全世界株式ファンドです。

この指数には、

  • 先進国
  • 新興国

を含む47か国・約3,000銘柄が組み入れられています。

つまりオルカン一本で、

  • 国際分散
  • 業種分散
  • 企業規模の分散

が自動的に行われる設計になっています。

さらにeMAXIS Slimシリーズは、
「業界最安水準の信託報酬を目指し続ける」
という方針を掲げており、長期投資との相性が非常に高い点も特徴です。

オルカン一本のメリットと限界

オルカン一本のメリット

  • 運用が圧倒的にシンプル
  • リバランス不要
  • 世界経済の成長を取り込める
  • 感情に振り回されにくい

特に投資初心者にとって、
「迷う要素が少ない」
というのは大きなメリットです。

オルカン一本の限界

一方で、オルカンは100%株式です。

つまり、

  • 暴落時の下落幅は大きい
  • 短期的な価格変動が避けられない

という特徴もあります。

この点をどう受け止めるかが、
「オルカン一本でいいかどうか」
を判断する最大のポイントになります。

人生設計別|オルカン一本でよいケース・注意が必要なケース

① 独身・20〜30代・収入が安定している場合

このケースでは、オルカン一本は非常に相性が良いと言えます。

  • 投資期間が長い
  • 収入でリカバリーできる
  • 一時的な下落に耐えやすい

多少の暴落があっても、
時間がリスクを吸収してくれる
ため、オルカン一本でも問題になりにくいでしょう。

② 子育て世代・教育費が重なる場合

この場合は注意が必要です。

教育費は、

  • 使う時期が決まっている
  • 価格変動を待てない

という特徴があります。

すべてをオルカンに投資していると、
必要なタイミングで相場が下落している
可能性もあります。

この層では、

  • 教育費用は現金や債券で確保
  • 余剰資金をオルカンで運用

といった切り分けが重要になります。

③ 50代以降・老後が視野に入る場合

老後が近づくにつれて、

  • 資産を増やすこと
  • 資産を守ること

のバランスが重要になります。

この段階でオルカン一本だと、
暴落時の精神的ダメージが大きくなりがち
です。

債券を足すべき人/不要な人の違い

債券を足したほうがよい人

  • 近い将来に使う予定のお金がある
  • 値下がりに強い不安を感じる
  • 資産を「守る」フェーズに入っている

債券は、株式と比べて値動きが緩やかで、
ポートフォリオ全体のブレーキ役
になります。

債券が不要な人

  • 投資期間が20年以上ある
  • 暴落時も積立を続けられる
  • 収入が安定している

この場合、無理に債券を入れなくても、
オルカン一本で合理的な運用が可能です。

年齢別|おすすめモデルポートフォリオ

20代

  • オルカン:100%

時間を最大の武器にできる年代です。

30代

  • オルカン:90%
  • 債券:10%(任意)

不安がなければオルカン100%でも問題ありません。

40代

  • オルカン:70〜80%
  • 債券:

徐々に守りを意識し始める時期です。

50代

  • オルカン:50〜60%
  • 債券:40〜50%

資産の安定性を重視します。

60代以降

  • オルカン:30〜40%
  • 債券・現金:60〜70%

取り崩しを前提にした配分が重要です。

結論|オルカン一本は「条件付きで正解」

オルカン一本は、

  • 長期投資
  • 精神的に耐えられる
  • 資金に余裕がある

という条件を満たす人にとって、
非常に合理的で優れた選択です。

一方で、

  • 使う時期が決まっているお金
  • 暴落が不安で眠れなくなる人

にとっては、債券や現金との組み合わせが必要です。

大切なのは、
「オルカン一本が正しいか」ではなく、
「自分の人生に合っているか」
という視点です。

ぜひこの記事を参考に、
あなた自身のライフプランに合った形で、
オルカンを賢く活用してください。