「全世界株式に投資したいけれど、商品が多すぎてどれを選べばいいかわからない」
「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)は本当に優れているの?」
このような悩みを抱えていませんか?

近年、NISA制度の拡充や長期投資への関心の高まりにより、全世界株式へ投資できる金融商品が注目を集めています。その中でも特に人気なのが、通称「オルカン」と呼ばれるeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)です。

しかし、全世界株式に投資できる商品はオルカンだけではありません。ETF、他社の投資信託、先進国株式ファンドとの違いなど、正しく理解しないまま選んでしまうと、「思っていた投資と違った」と後悔する可能性もあります。

この記事では、全世界株式に投資できる代表的な金融商品を徹底比較しながら、なぜオルカンが初心者から上級者まで支持されているのかを、できるだけやさしく、丁寧に解説します。

これから全世界株式投資を始めたい方、すでに始めているけれど商品選びに迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

全世界株式投資とは?まず押さえておきたい基本知識

全世界株式投資とは、日本・先進国・新興国を含む世界中の株式市場に幅広く投資する手法です。特定の国や地域に集中投資するのではなく、世界経済全体の成長を取り込むことを目的としています。

なぜ全世界株式が注目されているのか

全世界株式が注目される理由は、主に次の3つです。

  • 地域分散によるリスク低減(特定の国の不調に左右されにくい)
  • 世界経済の成長を享受できる
  • 長期投資と相性が良い

過去の歴史を振り返ると、国や地域ごとに好不調の波はありますが、世界全体で見れば経済規模は長期的に拡大してきました。その成長をまるごと取りにいく考え方が、全世界株式投資です。

全世界株式=オルカン、ではない

よく「全世界株式=オルカン」と思われがちですが、正確には全世界株式に投資する商品は複数存在します。オルカンはその中の一つであり、他の商品と比較して初めて、本当の強みが見えてきます。

全世界株式に投資できる主な金融商品一覧

ここでは、日本の個人投資家が利用しやすい代表的な金融商品を紹介します。

① 投資信託(インデックスファンド)

投資信託は、運用会社が投資家から集めた資金をまとめて運用する商品です。全世界株式型の投資信託は、初心者でも扱いやすく、NISAとの相性も良いのが特徴です。

  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド
  • 楽天・全世界株式インデックス・ファンド

② ETF(上場投資信託)

ETFは証券取引所に上場しており、株式と同じようにリアルタイムで売買できます。代表的な全世界株式ETFには、以下があります。

  • VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)
  • ACWI(iShares MSCI ACWI ETF)

③ 先進国株式+新興国株式の組み合わせ

全世界株式ファンドを使わずに、先進国株式ファンドと新興国株式ファンドを組み合わせる方法もあります。ただし、比率調整やリバランスが必要になる点には注意が必要です。

代表的な全世界株式商品を徹底比較

全世界株式商品を比較する際は、以下のポイントが重要です。

  • 信託報酬(運用コスト)
  • 投資対象の広さ(国・銘柄数)
  • 運用の手間
  • NISA対応状況
  • 税制面の扱いやすさ

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)と同じく、世界中の株式へ幅広く投資できる代表的な金融商品を比較しました。

商品名 商品
タイプ
連動指数 信託報酬 特徴・注意点
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 投資
信託
ACWI 0.05775% 低コスト・自動分散
初心者向けの定番
VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF) ETF FTSE 0.07% 分配金あり
為替・税務管理が必要
たわらノーロード 全世界株式 投資
信託
ACWI 0.1133% 信託報酬はやや高めだが老舗シリーズ
Smart-i 全世界株式インデックス 投資
信託
ACWI 0.1144% 低コスト志向で分かりやすい設計
楽天・全世界株式インデックス・ファンド 投資
信託
FTSE 0.132% 楽天証券ユーザー向け
実質VT連動
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド 投資
信託
FTSE 0.1338% VTを実質的に保有
小型株も含む
DCニッセイ全世界株式インデックス 投資
信託
ACWI 0.154% 確定拠出年金向け
個人口座では購入不可の場合あり
iFree 全世界株式インデックス 投資
信託
ACWI 0.198% 大和アセット運用
コストは高めで競争力は限定的
野村つみたて外国株投信(MSCI ACWI) 投資
信託
ACWI 0.22% 信頼性重視
コスト面では不利
ACWI(iShares MSCI ACWI ETF) ETF ACWI 0.32% オルカンと同指数
信託報酬は高め
SPDR MSCI ACWI ETF ETF ACWI 0.40% 信託報酬は高水準

※ETFは外国税の影響や為替手数料が発生する点に注意が必要です。
※投資信託の信託報酬は、将来引き下げられる可能性があります。最新情報は公式サイトを確認してください。
※ACWIとFTSEの違いは以下で解説しています
関連記事|FTSEとACWIを詳しく解説|全世界株式投資で知っておくべき指数の基本

比較表からわかるポイント

  • 信託報酬の低さでは、オルカンが業界トップクラス
  • NISAの使いやすさは、投資信託が圧倒的に有利
  • ETFは低コストだが、税務・為替管理の手間がある

特に、長期・積立・分散を前提とする場合は、円建て・自動積立が可能な投資信託のほうが続けやすい傾向があります。

なぜオルカンは初心者にとって優位性が高いのか

オルカンの最大の特徴は、「これ一本で世界中の株式に分散投資できる」点です。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)に連動し、先進国と新興国の大型・中型株を幅広くカバーしています。

  • 信託報酬が業界最低水準
  • 自動で国・地域配分を調整
  • つみたてNISA・新NISA対応
  • 100円から積立可能

① 圧倒的な低コスト

長期投資では、信託報酬の差が将来のリターンに大きく影響します。オルカンは「業界最低水準の運用コストを目指す」と公式に明言しており、実際にコストは年々引き下げられてきました。

② メンテナンス不要の手軽さ

オルカンは指数に連動して自動的に構成比率が調整されます。投資家が国別配分を考えたり、リバランスを行ったりする必要はありません。

③ NISAとの相性が抜群

新NISAでは、長期・非課税での資産形成が重視されています。オルカンはつみたて投資枠・成長投資枠のどちらにも対応しており、制度を最大限活用しやすい点も大きなメリットです。

よくある疑問と不安を解消

オルカンだけで本当に大丈夫?

資産形成の「コア(中心)」としては、多くの投資家にとって十分と考えられます。ただし、リスク許容度や投資目的によっては、債券や現金と組み合わせることも検討するとよいでしょう。

将来、アメリカが不調になったら?

オルカンは特定の国に固定投資する商品ではありません。経済成長に応じて構成比率が変化するため、長期的には世界全体の成長を取り込みやすい仕組みになっています。

まとめ|全世界株式投資で迷ったら、まずはオルカンから

全世界株式に投資できる金融商品は数多くありますが、低コスト・手軽さ・分散性のバランスを考えると、オルカンは非常に完成度の高い商品です。

特に、これから資産形成を始める方や、「難しいことはできるだけシンプルにしたい」という方にとって、オルカンは有力な選択肢となるでしょう。

大切なのは、完璧な商品を探し続けることではなく、自分に合った商品で、長く続けることです。この記事が、あなたの投資判断の助けになれば幸いです。